☆コースタイム
河口湖駅(8:45) 大石オートキャンプ場(9:10)大石峠(10:50)節刀ヶ岳(12:15)
金山(13:05)鬼ヶ岳(13:30) 鍵掛峠(15:00) 根場民宿(16:15)
☆ 費用
交通費 高尾 - 河口湖(往復3,360円/人)
タクシー(往復2,000円/人)
好山好山旅会 |
平成16年山行実施報告 |
箱根 金時山 |
茅ヶ岳・瑞牆山 |
房総 高塚山 |
南アルプス前衛 守屋山 |
2月27日(土)晴れのち曇り
メンバー L高橋(和) 八木 堀内 東濱 白石 計 5名
- 高橋(和) 記 -
スーパーあずさに新宿から4名、八王子から1名乗車、車窓から見た空は青々と輝き、展望の守屋山への期待がふくらむ。しかし、車中は重装備の身にとって暑い位である。甲府を過ぎると、白い雪の帽子をかぶった南アルプスの山々が迫ってくる。その山頂が時折雲に隠れ、茅野駅に近づくにつれ、すっかり見えなくなってしまった。
茅野駅に全員降り立ち、1台のタクシーに乗り込んだ。高度を増すにつれ道路脇の残雪が徐々に厚みを増している感じがした。計画書にある古屋敷からの立石コースからの登りをあきらめ、杖突口に車を止めて貰った。登山口から別荘地へ通じる林道を進んだ。アイゼンはまだ必要ないと判断した。途中でこの道が本来の登山道と違うことに気づいたが、やがて合流することから、そのまま進み、まもなく無事に合流。
唐松林の中の道は堅くしまった雪に覆われ、アイゼン無しでも問題はない。やがて舗装された林道に再び出合い、林道を少し進と「ザゼンソウコース」と書かれた案内板があり、案内に従って丸太で組まれた木道上であろう道を進む。雪解けの頃にザゼンソウが顔を出すと登山者でごった返すそうである。木道を渡り終えた所に避難小屋や東屋があり、そこで小休止をする。その脇を後から登ってきた女性グループがアイゼンを着けた靴で進んでいった。ここからも唐松林の中、やや単調な道を登って行くと、やがて前方の道が急になっているようで、ここで全員アイゼンを装着。やはりアイゼンを装着した方が小気味よい。鎖のついた小さな岩場らしき所もなんなく登りきると、唐松林が途絶え「守屋山頂1631m」と書かれた守屋山東峰についた。
あいにく、粉雪がチラチラと舞い、展望はきかない。銅板に刻まれた展望を示す山々の名を数えていくと30座近くなる。 晴れていれば近くに八ヶ岳、北岳、仙丈ヶ岳などの南アルプス、木曽駒、空木岳の中央アルプス、北アルプス、金峰山などの山々が見渡せるはずであったが残念。
主峰の西峰へは、守屋山奥の院の小さな祠の横をすり抜け、唐松の林の中を一旦下り、緩やかなアップダウンを繰り返しながら見通しのきかない稜線を進。途中、カモシカ岩と書かれたコブからはやや急坂となり、程なく西峰頂上に着いた。山頂は小広く開けており、展望さへ良ければ申し分ないのだが、かえって風が強く、ここで 昼食を摂るのは無理と判断。山頂近くに電話ボックス程の小さな小屋があるも、先ほどの女性グループが占領しており、カモシカ岩あたりまで戻って昼食を摂ろうと考えた。しかし気温が低下し、雪上に腰を下ろしての昼食は無理と、ここもあきらめ、少し時間が遅くなるが避難小屋まで急ぎ足で下ることにした。
避難小屋の中には小さな囲炉裏があった。小枝を集めて火をつけるも、湿った枝は炎を着けるまでには至らなかった。それでも小屋の中は幾分暖かく感じられ、遅い昼食を摂った。食べ終わった頃を見計らったように、人が顔を出し、中に入りたいと言う。ユックリしたかったが小屋を出ることにした。小屋から登山口までは登りの半分程の30分で到着し、今回の山行を無事終えた。
安蘇山塊 栃木御嶽山 |
秋山二十六夜山 |
霧 訪 山 |
平成16年3月13日(土)晴
メンバー L 国府田 広瀬 斎藤 片倉 本多(正) 吉田(博) 清水(ふ) 梅沢 宇野 計9名
-国府田記-
温暖な日が続き冬も遠退いたような連日の陽気は今日も変わりなく晴天ではあるけれど、中央線車窓から眺める塩尻周辺の山々は霞んだ空気の中でボヤケている。頂上の展望はあまり期待できそうもない。
塩尻駅で特急あずさで先に到着した本多、広瀬、梅沢さんの待ち草臥れたお三方と合流し、1両だけのワンマンカーに乗って小野駅に到着。駅前の国道153号線に出ると大鳥居が威厳を誇る様に国道の上に建っている。その下を通り真っ直ぐ塩尻方向に1O分程進むと霧訪山登山口の道標の立つ弥彦神社と小野神社の二っの神社が鎮座まします境内に着く。道標に従って住宅地を通り抜け広々とした畑道を15分程歩いて登山口に着いた。登山記帳のbox が置いて有り、傍には本物の犬ソックリな自然が造り上げた古木の根っこのワン君が出迎えて呉れる。
軽トラを運転した土地のオッサンから「今日は黄砂でよく見えないよ」と声を掛けられ、黄砂か- やっぱり駄目か-、 いささか落胆しながら登り始める。かなりの急傾斜だ。雪は全くない。送電線鉄塔巡視路の階段を登って行く。 この山は赤松が多く松茸がどっさり採れるのだそうで登山道の両脇には頂上近くまでロープが張られ「松茸山入山禁止 山地主」の立て札が頻繁にある。秋の収穫頃に来れば松茸の匂いを存分に味わえるかも知れない。松茸の頭でも見えたら1本失敬したい誘惑が起きるかも? 「御岳山権現大明神」と書かれた標柱のある休憩所で一休止。右側の樹林の間から小野の町が見下ろせる。登山道はよく整備され道標もしっかり付いている。赤松の落葉の道は急登ではあるが歩き易い。鉄塔が現れ地元の歴史保存会の立てた「かっとり城址」の標柱もある。この周辺には戦国時代の山城址がいくつか有るらしい。小笠原氏の重臣の居城ということだ。途中に三角屋根の避難小屋があるが実際は松茸監視小屋なのだろう。
急登を過ぎ稜線に出た。北面に申し訳程度にわずかの残雪がある。小休憩を取り稜線を登るにつれ冬枯れの雑木の間から霧ガ峰方面が見えてきた。最後の急登を終って小広い霧訪山頂上に着いた。小野神社の小さい祠と立派な方位盤がある。遮るもののない展望台だ。方位盤を見ながら山名を確かめる。北西に北アルプスの山々、北から東へ美ヶ原、霧ガ峰、蓼科~八ヶ岳、南から西に南アルプス、中央アルプス、御嶽山等など本州中央部の雄峰がぐるりと見渡せるのであるが今日は残念ながら遠望がきかない。やはり展望を楽しむには空気の澄んだ晩秋から2月頃までの冬の時期が絶好だ。
昼食を済ませ往路を戻る。2時の電車に乗りたいというので急いで下った。予定の時刻よりも1時間半も早い電車に乗れて青春18切符利用の鈍行電車でも6時過ぎには高尾に着いた。 まさしく好山好の皆さんは青春真っ盛りの元気さでなかなかの健脚揃いです。
☆コースタイム
小野駅発(1O:3O) 弥彦・小野神社(1O:4O~5O) 登山口 (11:O5)権現大明神
(11:2O~3O) 鉄塔(11:35)避難小屋 (11:45) 稜線(12:O0~1O)頂上
(12:2O~1:O5) 登山口(1:4O)小野駅(2:OO~2:O7)
王岳 |
天子ヶ岳 長者ヶ岳 毛無山 |
平成16年4月17日(土) メンバー L国府田 吉田(博) 2名
天子ヶ岳 長者ヶ岳 - 記 国府田 -
今回は参加者2人だけ 個人山行の様な気楽さで二日とも好天の下、間近な富士を楽しみながらマイペースでのんびり歩いてきた。 当初予定の田貫湖からのコースはバスの便が悪く二人だけなので、富士宮から白糸の滝入口までバスを利用し反対側からのコースで登る事にした。30分で終点の滝入口に着き、ここから車道を4O分程歩くと天子が岳登山口である。マイカー登山者の車が数台駐車している。
急な檜の植林帯をゆっくりと1時間ほど登ると明るい尾根に出た。裾野を広げた美しい富士の姿を眺めながら昼食を摂る。前方にはこれから行く天子ガ岳もなだらかな稜線を見せている。
芽吹き始めた雑木林の新緑の中にミツバつつじの花も見られて気持ちのよい尾根道も、やがてじぐざぐの急登となり高度も上がりまだ冬枯れ状態の頂上付近の樹林帯の中にバイケイソウが一面に芽を出して林床を新鮮な緑色に染めている。頂上は広々として静かであるが展望はない。ちょっと西側に入ると富士山の展望台があり、ここからの眺めもすばらしい。 天子ガ岳から長者ガ岳への稜線には皇太子ご夫妻のお子様愛子様のお印であるゴヨウツツジの花は、まだ咲いていなかったがキクザキイチゲが沢山咲いており、東海自然歩道でもあり明るい快適な道である。急下降し緩やかに登り返して4O分で長者ガ岳に着いた。東面が開け大きな富士を眺め、大沢崩れも正面に見えるそうだけれどよく分からなかった。北側の雑木の聞から明日登る毛無山も見えた。
下山は東海自然歩道を田貫湖まで下り、ここから今夜の宿の下部温泉行の快速バスに乗る為、本栖入口バス停までタクシーを利用した。運行の少ない身延線をつかうより早くに宿に着いた。
☆コースタイム
白糸の滝入口(10:25)天子が岳登山口(11:05)昼食(12:OO~25)天子が岳頂上
(1:35-5O)長者が岳(2:3O~45) 田貫湖展望台(3:2O-3O)湖畔入口(4:O0)
18日(日)晴 毛無山 一吉田(博)記一
宿の車で1O分程、登山口のゲートまで送ってもらう。ゲートは5月にならないと開かないので静かな山あいの舗装路を50分たんたんと歩く。登山口の標識で、今日の高低差が11OOmほどあるのに驚く。高低差を考えてなかった。登り4時間コースだ。
道はよく整備されていて、だらだら坂をつづら折れに登っていく。朝の光が周りの山々を赤く染め、時たまうぐいすの声、休憩で腰をおろすと眠ってしまいそうに静かだ。
県界尾根に着くと富士がお出迎え。ここからは丈の低い木々が林立する中を頂上目指す。途中、まだまだ白い南アルブスの3OOOm峰を望み、一旦ゆるやかになったり、いくつかのピークを越えたりで毛無山頂上1O:O7着。
裾野を広げた雄大な富士に魅入られ、あまりの陽気の良さに雨ヶ岳・端足峠には行かず、頂上でゆっくりし朝霧高原に降りることにする。パラグライダーが気持ちよさそうに飛んでいる。リーダーは帰りのバス時間とにらめっこ、私は携帯に書き込みする。
朝霧高原側からは大勢登ってくるが、結構急で下部温泉からの登りでよかった。2時間で登山口。ここから舗装路があちこちにあってコンパスで確認しながら歩く。山を降りてからの方がわかりにくい。
バス停のある国道までに東京農大富士農場の広大な敷地があり、彼方の富士が見事。道を探したのと写真を撮ってる時間が長かったのか、1日2本しかないバスに遅れた。しょうがない奥の手だ。携帯でタクシーを呼び西富士宮まで行ってもらい、ゆったり各駅停車で東京駅へ。予定では21:3O頃東京着だったので、3時間も早く帰ることができた。
☆コースタイム
宿車発(5:35)ゲート着(5:45~5:5か登山道入口(6:4O~6:5d)休(7:55~8:10
金山女郎部屋跡(8:15)金山大名屋敷跡(8:2O)県境稜線(8:3O~8:45)休
(9:15~9:3O)朝霧高原分岐(1O:0O)南ア展望台(10:O5)毛無山頂上
(1O:10~11:2O) 休(12:2O~12:3)地蔵峠分岐(登山口)(13:2O)林道入口
(案内板)(13:35)朝霧高原分岐(13:45)グリンパークバス停(14:2O)
西上州 碧岩から大岩 |
平成16年4月25日(日)晴れ
メンバー L矢沢 魚津 広瀬 高橋(和) 国府田 八木 片倉 佐藤 東濱 中出 梅澤 川端 計12名
- 矢沢 記 -
今回の碧岩は西上州の中でも、ザイルが欲しい上級者向きのコースなのですが数年前に碧岩直下にフィックスロープがつき沢筋こも道標が立づたとの情報に、個人山行の予定を例会にしました。計画書を送った後の3月未下見に行った時点で雪も積もっていた事もあり碧岩も下りに不安を感じ、申込者には「碧岩頂上には立たないと思います」との了解を得ての実施でした。
下仁田駅で待っていた八木さんの車とタクシーにて勧能の先、三段の滝駐車場よりラストを魚津さんにお顔いして1O:3O分登山開始。新緑の中、居合沢を渡り返しながら落差5Omの三段の滝からは、酉上州らしい微かな踏み跡とテープを確認しながらの道です。
滝の右側を登り滝口から碧岩沢の先を左にガレ沢に入ってすぐの左のザレ場を急登すると目前に碧岩が姿を見せる。稜線に出る頃よりピンクの大輪のミツバツツジが点々と咲き、ザックを置き左の岩稜を碧岩直下までのつもりが、身軽だった事もあり皆さん「登れそう、登りたい」との言葉に予定を変更し、数人が頂上に立ちました。ここもツツジに彩られ岩峰に立っている事を忘れてしまいそう。往路を慎重に戻り、稜線分岐から痩せた岩稜を快調に辿り、二つ目のピークが大岩山頂です。先程登った碧岩が槍の穂先の様に見下ろせます。分岐まで戻り二子岩寄りの踏跡をジグザクに下り、朝方のガレ沢に降り立ちバスの時間に間に台わせる為、休憩無しで往路を戻りました。結果オーライとはいえ、当初の予定を変えて的確な指示を出さずに碧岩に登った事、12人という人数での西上州の岩稜歩きは、例会には相応しくなかったと反省して居ります。
☆コースタイム
三段の滝駐車場(1O:3ゆ三段の滝(1O:5め碧岩沢出会(11:2O)小尾根上(昼食)
12:00ー12:2。碧岩(18:00)大岩(14:00~14:15)大岩分岐力14:4O)碧岩沢出会(15:1O)駐車場(16:O0)
☆費用
タクシー ¥5,14O
バス 勧能~下仁田駅 ¥ 500
尾瀬沼~尾瀬ヶ原 |
平成16年5月2日(日)~4日(火)
メンバー L高柳 高橋(和)本多(正)佐藤 中出 梅澤 原田 計7名
5月2日(日)晴れ
- 中出 記 -
三平峠を下り尾瀬沼の湖畔に着くと、そこは下界の五月の新緑の景色からかけ離れた、冬、白銀の別世界だった。尾瀬沼の湖面は青みを帯びたシャーベット色。周辺はあくまで静寂。沼を抱え込むように低い尾根が取り囲む。足元の雪が柔らかく、踏み込む毎に沈んで心地良い。心の中を清浄透明な冷水で洗われる様な気分がした。
爽快。沼の辺を歩いていたら別のパーティの人で沼に落ちて半身滞れている人がいた。笑ってしまう。若しその人に会わなかったら自分たちのパーティの誰かが落ちていたはずだから。用心深く危ない場所を迂回する。小屋に着いたら、先着していた高橋さんが沼に落ちて下半身ずぶ濡れになったとの事、寒かっただろうけれどたいした事もなくてよかった。
5月3日(月)晴れ
二日目、朝、長蔵小屋出発。針葉樹の林の中、軽い登りを歩く。雪の道、、午前はともかくとして午後も足が持つか不安がよぎる。見上げると木々の合間から白い雲と碧く澄んだ空が見える。目を落とすと当たり一面の白い雪。そのコントラストに心すく思いがする。自分の足は、日頃のトレーニング成果の試しどころとばかり嬉々として歩を運ぶ。一歩一歩の単調な歩きでは有るけれど、此れほど楽しいと思って歩いた事も珍しい。途中、コースを誤って引き返すが苦にならなかった。
燧ケ岳を右に見て進む。登りたかった。前日、高橋さん、梅澤さんが登ったとの事、羨ましいと思う。 午後、木道が露出しているところを歩く。板が水に浮いている所があり足を乗せると板が沈む。危なっかしい。 会長が木道から落ちる。この日は誰もが一度は雪や水に足を取られたようだ。山の鼻の小屋には2時半過ぎには到着する。疲れたと言っている人がいたが自分は全く疲れを感じなかった。スタートの時の不安は杷憂に終わる。
5月4日(火) 雨
三日目、早朝雨が降る。結局、至仏山登頂は中止となる。一残念。鳩待峠へと帰路につく。しかし、楽しい山行であった。会長があんなに駄洒落を青う人とは知らなかった。結構笑わしてもらう。また新加入の原田さん、何もいないと思っている雪原に小鳥の姿を見つけ何の鳥か同定する。私にはその姿が見えなかった。好きな人には見える、見付けるのだと思って感心する。
私事だけれど、私は昨年妻をガンで亡くしている。尾瀬には以前、妻と二人で来た時の思い出があった。最初、参加することにためらいがあった。つらい場面があるかもと。所々で、記憶の糸をほぐしながら確かめて歩いていた。今回の尾瀬の山行は、妻と来た初夏の尾瀬の景色と共にいつまでも自分の心の中に残っていくことだろうと思った。
☆コースタイム
2日 大清水発(11:2O~11:5O)一ノ瀬(12:55)三平峠(14:2O~14:25) 長蔵小屋(15:O5)
3日 長蔵小屋(7:O6)コースを間違い標高1700メートル付近で戻る (8:15~8:20)大江(9:00)沼尻(10:00~10:10)白砂峠(10:35)下田代十字路=見晴(11:55~12:2O)竜宮小屋(12:55~13:O5)山の鼻小屋 (14:45)
4日 山の井小屋(7:35)鳩待峠(8:55着ジャンボタクシー9:25発)沼田(11:00)
☆費 用
ジャンボタクシー 鳩待峠→沼田駅<1人3,5OO円
追 記 先発隊 三池から燧ヶ岳 本体に合流した。 - 八木 記 -
御池ロッジに宿泊し、朝、身支度を終えて出発したのが7時20分であった。御池ロッジに隣接する、除雪した雪に囲まれた駐車場の奥から人の群れに導かれて歩き出した。
ほとんどの人はスキーやスノーボードを背に担いだ人達である。道標は雪に埋もれて気が付かなかったのか、あるいはそもそも歩き始めた場所は本来の登山道でないのかもしれない。
歩き終えてから感じたことだが、ただ山頂に向かってひたすら一直線に歩いた、そんな思いである。しばらく樹林の中を歩いて広い平坦な場所に出ると、そこが広沢田代である。 初夏には風にゆらぐワタスゲが湿原の中に見られると本に書いてあった。今は見渡す限りの雪原が広がっているばかりである。雪原の真ん中を歩き、すぐ樹林の中の道に入る。樹林の中の道はとりわけ急で一歩一歩雪の感触を確かめながら歩いた。
急登を登り終えると熊沢田代の広い台地が目の前に広がっており、見上げると燧ガ岳の山頂もここから望める。熊沢田代には木道が一部あらわになっており、やはり湿原の中の道であるようだ。 ここまで来ると標高を稼いだのか、黒々とした山の連なりの奥に白い峰々が望まれた。真後ろに会津駒ガ岳、西の方には平ヶ岳、越後駒ケ岳なども見える。ここから先は、遠くに山頂を覗かせている燧ガ岳を見据えて、雪の中の急登を急がず焦らずゆっくりと着実に足を運ぶだけである。
目の前に広がる空の青さと、雪の白さと、雪の中から青空に伸ばしているハイマツの葉の緑が、いくらか疲労をやわらげてくれた。俎嵓に近づくと人の賑わいが聞き取れ、山頂の大きな岩には雪もなく、腰を降ろすことの出来る恰好の休憩場所になっていた。
双耳峰のもう一方の峰が燧ガ岳の山頂であり、一旦鞍部を経てひと登りである。山頂の近くになると、ナイフブリッジの細い道が雪の中に続いており、緊張を強いられる所だ。両側は急角度で雪の斜面が下まで広がっており、足を滑らしたりするとひとたまりもない。
先ほどすれ違った人は、ピッケルを持っていないと駄目と忠告してくれたが、ここに至ってそのことの意味を悟り後悔の念が走った。後ろから歩いているTさんもやはりその思いで引き返そうと口走ったが、既に山頂へとはやる気持ちを抑えることが出来ずに、先へ先へと急いでいるUさんの耳には届かなかったようだ。
わずかの間の事であるが、山頂に達したときには胸をなで下ろした。山頂からはシーズンの賑わいをよそに静かに眠っている尾瀬ヶ原の全貌が眼下に広がり、その果てに雲海の中から至仏山が山頂を覗かせていた。
心ゆくまで展望を楽しみ昼食を摂るため俎嵓へと向かった。慎重に一歩一歩踵に力をこめながら下ってきた積りであったが、鞍部の近くで滑ってしまい幸いに難には至らなかった。 俎嵓で昼食を摂ったあと尾瀬沼で本隊と合流するTさん、Uさんとここで別れ、Kさんと一緒に御池へと下った。
下りながら思ったことは、やはり山慣れた人が先頭に立って歩くべきだということである。天気も良く踏み跡もしっかりしているあのような状況では万が一でも事故などあり得ないことではあるが、ピッケルを持たないと危ないと言う忠告を上の空で聞き、その場に至って動揺をきたす前に、引き返す勇気が必要であったということである。
この事を充分に承知しながらもその場になるとなかなか実行できない事ではあるが。不埒にもそんな真面目なことを考えていたら不覚にも足を滑らしてしまい10mほど下って危うく木の幹に衝突しそうになった。
後ろでキャッと言う声と共にKさんがこちらに向かって滑ってくるので手を掴もうとしたが抑えきれずに一緒に滑ってしまった。そんなことを2,3回繰り返しながら、ようやくの思いで登山口のある駐車場に着いた。
先発隊2 G.Yパーティと別れ本体合流
- 高橋和 記 -
G.Yさん達と昼過ぎに分かれ、Uさんと会山行の本隊と合流するため溶岩のゴロゴロした俎嵓を下り始めました。 山頂直下に残雪があったためアイゼンを装着したものの、すぐに雪は消え、急坂の岩場を下ると残雪を貯めた鞍部に出ました。ここでナデッ窪コースと長英新道コースに踏み跡が二つに分かれていました。 我々は、踏み跡の多い長英新道コースをとると、再び雪が無い痩せ尾根の道を進みます。このような痩せ尾根は榛名山や赤城山でも経験したことがあり、溶岩脈のことが多いなと、真後ろを振り返ると赤ナグレ岳がありました。ハハ~ン、赤ナグレの側列火口かなと考えているうちに展望台に到着。痩せ尾根はここでお終い。尾瀬沼が眼下に広がっていました。 展望台からは残雪の中を下ります。進路は東、太陽が右手真横の方向にあります。樹々はシラビソやダケカンバで、はじめのうちはダケカンバが優勢でしたが、次第に樹々の本数が増すうちに、ほとんどシラビソに変わっていました。やはり陽樹のダケカンバには森は不似合いなのでしょう。 方向も定かではなく、ただ踏み跡と樹幹の赤ペンキだけが目印です。と、言っても先頭のUさんが判断しているだけで、後ろからくっついていくだけ。傾斜が緩やかになるに連れ進行方向は南よりになり、樹木の本数も増しブナの樹も見られるようになりました。Uさんが「赤ペンキが消えたワ」と言われたにもかかわらず、まあ、方向は間違ってはないと軽く考えていると、はるか先を歩いていた単独行の人が引き返してくるではありませんか。このさき登り返しがある。道を間違えた引き返すとのこと。
Uさんと地図をみて、登り返しがあるとすると1801mのピークの方向、東に向かっている。我々は引き返さず、太陽を左手方向に見るように西に進もうと意見が一致し、そのようにしました。すると、程なく、Uさんが赤ペンキを見つけ、これで一安心、ところが、再び赤ペンキのついた樹幹を見失う。しかし、右手方向には、樹木のない雪原がある。これは田代=湿原に違いないと判断し、雪原に向かう。進むうちに湿原に水溜まりがあり、その縁でカモが2匹、陽を浴びていた。デジカメてパシャリ。Uさんはどんどん進んでいき、相当離れてしまった。急がねば、これが事件のきっかけになろうとは。先の方で、Uさんが水溜まりを避け迂回しているのが眼に入った。小川の感じで幅は1m位だ、ザックを背負っているが跳び越えることは可能と判断し助走をつけ、ホップ、ステップ、とはいかずザブン、腰まで水に浸かってしまう始末。Uさんに「もうすぐ小屋よ」と励まされぬれたズボン、ぬるぬるする靴で歩き何とか合流の長蔵小屋に着きました。
奥秩父 両 神 山 |
平成16年5月9日(日)小雨~一時曇り~小雨
メンバー L大田 高橋(和)国府田 八木 片倉 清水(ふ) 計6名 - 大田 記 -
当日の、ローカルの天気予報では夕方まで曇りとなっていたが、三峰口からタクシーで落合橋に向う道中で雨が降り出し、山の天気の難しさを感じた。
登山口のある落合橋のところには数台分の駐車スペースがあり、既に数台の車が止まっていた。
雨になったので当初の予定を変更して鎖場の少ない、両神山への直登コースを選択しようとしたが、ガスで入口が分からず、結局は当初の予定通り、八丁峠からのコースを歩くことにした。道は八丁沢に 沿うように続いていたが、いつの間にか沢から離れ、段々と傾斜が厳しくなって来たが、雨もそれほどではなく、久し振りに歩く新緑の中の道は心地よかった。小1時間ほど歩くと、八丁峠に着いた。峠にはベンチを置いた展望台があり、天気がよければ西上州の山が見えたかも知れない。
峠からは道を一旦南側に戻るように下って登り返したところに昔の鉱山の鉄柱の跡があった。さらに急な尾根を登ると、初めての鎖槙が現れた。鎖が濡れているので、十分注意しながら登って行った。ここから西岳までの間は鎖場と露出岩の連続で気が抜けない。やがて西岳の頂上に到着した。丁度、小雨も止んだのでここで昼食休憩とした。山頂は細長く、道はここから右に曲がっている。歩き始めるとまた雨が降り始め、何とも変な天気である。それでも時折、咲いているヤシオツツジのピンクの花は心を和ませてくれた。西岳からまた道は下るが、そこはキレット状になっていた。ここから又、露出岩と鎖場が連 続する道となるが、天気が良ければ眺望も開けており、景色が楽しめるところである。やがて細くなったナイフエッジ状の尾根を辿ると細長いピークの東岳に到着した。東岳からは鎖場も少なくなり、樹林帯の緩い登りになり、最後に2本の鎖場を過ぎるとすぐに両神山の頂上に到着した。あいにくの雨で眺望はゼロであった。下山する日向大谷まではまだ大分時間が掛かるので早々に下山コースに入った。このコースにも少しではあるが鎖場があり、滑らないように慎重に下った。途中、両神神社本社前を抜け、清滝小屋で小休止したが、雨の山道は午後になると思ったよりも暗かった。清滝小点からは日向大谷までは道中に3O以上の石碑があり、この山が古くからの
借仰の山であることを思い出させてくれる。山道の傾 斜が緩くなり、視界がバッと開けたところが日向大谷で両神山荘の前であった。山荘からはタクシーを呼んで三峰口まで戻った。
☆コースタイム
秩父鉄道三峰口駅(タクシーで約5O分)落合橋(9:5O)八丁峠(1O:5O~11:OO)
行蔵峠(11:3O)西岳(11:45~12:1O)東岳 (13:2O~3O)両神山頂上(14:O8~13) 清滝小屋(15:3O-45)日向大谷(17:2O)
☆費用
鉄道 西武池袋 → 秩父鉄道三峰口1,93O円(西武特急利用) 秩父鉄道三峰ロ → 西武池袋 1,930円
タクシー 三峰口 → 落合橋 8,980円(1台)
日向大谷 → 三峰口 5,860円(1台)
釈迦ヶ岳 |
朝8時車で自宅を出る。東北道経由で大間々10時半着
剣が峰と言われてる社に11時20分、ここまでは結構登山者がある。本当の剣が峰はそれから10分程のピーク。鞍部に降りてT字路を左に更に降りて最低鞍部へ。登山者には全く会わない。
最初のピーク付近にヤシオツツジのピンクの色が目立つ。だらだらの上り下りを繰り返す。
12時30分熊笹の刈り込みで弁当を摂る。30分休憩
最後の岩混じりの急登が20分程続く、高校生数人が追い越していく。休みながら時間を掛けて登ると鶏鳥山からの道が右から合流、ここからはなだらかで5分もすると、ゆったりした釈迦ヶ岳頂上に 立った。1時35分。高校生と2人の登山者がくつろいでいる。
南は宇都宮方面から遠く関東平野が霞の中。
北に鶏頂山がのっそりと立っている。弁当の残りを食べのんびり。 真新しい釈迦仏が鎮座している
2時下山開始、最低鞍部からの登り返しが億劫になる。
3時、剣が峰八海神社でゆっくり休憩、4時過ぎ車のおいてある大間々に到着した。
剣が峰付近のシロヤシオはまだ咲いてない。大間々は6月初旬がレンゲツツジの見頃。
会津 大 嵐 山・荒 海 山 |
大 嵐 山 平成16年5月29日(土) 薄曇
メンバー L八木 矢澤 広瀬 国府田 東濱 吉田(博) 梅澤 白井 計8名
一八木 記一
会津高原駅から、ほぼ定員のジャンボタクシーに乗り、登山口に向けて出発した。林道終点まで乗りつけると、約2O分の歩行を省略することが出来る。計画書を作成した段階では、その間の事情を知りえなかったので、ともかく歩き始めの時間が
遅いこともあり、勿怪の幸いであった。車輪跡の残る植林の中の広い道から、すぐ沢に沿った道に変わりしばらく歩く。やがて沢を覗きこむような高みの道になり、苔むした岩に縫って流れるせせらぎだけを見ると庭園の趣である。また沢の線を辿るようになり、足元にはニリンソウなどが咲いている気持ちの良い道である。春の日差しがやわらかく周囲の雑木を包み、気持ちもはじけそうな幸せな時間である。
その後涸れた沢の石を踏みながらの歩きにくい道が続くが、左手に山の斜面に沿っ車道を見いだし、ここから本格的な登りの始まりである。ここまでで既に登りの半分をこなしており、心なしか 気持ちも軽やかである。しかしブナの中の道は湿気がただよっていささか暑苦しく、そのうちに空から顔に滴り落ちるものを感じ、いやな予感が走らたが、ほどなくそれもすぐおさまった。涼しい空気の流れを感じると、目の前が明るくなり、まもなく大嵐山へと続く稜線に辿り着いた。大嵐山までの道のりはまだ長いので食事と思ったが、それに見合う適当なスペースも見当たらず、やみくもに先へと急いだら大きな岩があり、そこで昼食を摂った。その手前に、若干色報せていたが、イワウチワの群生も見かけられ、期待していなかっただけに、喜びもひとしおであり、またシヤクナゲも、そこかしごに色鮮やかな花を付けこ稜線にいろどりを加えていた。昼食を摂った場所から、山頂までは意外に呆気なく養いた。広い山頂には多数の人数を引き連れた一組のパーティがいたが、そこに我々が加わり一層賑わいを増した。そもそもの天気の予想から、今日は大嵐山を登ることだけで良しとした気持ちが当初から横溢していたが、山頂に登り詰めて思いがけない展望が眼前に開けていた。天と地の定かでない白濁した空でありながら、遠くの山々の稜線もおばろげながら見渡すことができ、茫洋とした会津駒ヶ岳が目の前で白く輝いており、颯爽とした姿の燵ガ岳も遠くに認めることができた。また日光や那須の黒い稜線も霞の中に揺らめいてただよっていた。下りは同じ道を引き返すだけであり、木の根が出ている足元に気をつけながら慎重に下ってきた。「知る人ぞ知るすばらしい山」と本に書いてあった文句に思いを馳せながら登ってきただけに、その思いが満たされたことは、とやかく言うまでもない。
☆コースタイム
登山口(11:1O)大岩(11:5O)湯ノ倉山分岐(12:40)尾根出合(13:00) 尾根上で昼食(13:3O~13:55)大嵐山(14:1O-14:3)登山口(16:1O)
☆費用
ジャンボタクシー代 会津高原駅~大嵐山登山口 ¥1O,24O(1台)
ジャンボタクシー代 大嵐山登山口~会津高原駅 ¥1O,24O(1台)
大嵐山 地図
参考山行 荒 海 山 |
平成16年5月30日(日) 晴れ
メンバー 広瀬 八木 吉田(博) 梅澤 計4名
- 広瀬 記 -
雨の予報を心配しつつ、4名で会津高原駅近くの旅館に泊まる。翌朝6時、宿の車で2O分の登山口まで送ってもらう。最高の天気で山行が始まる。
岩混じりの沢を3回程渡ってから、木の根が張り出している山道となる。一歩一歩足場を決めながら登るので、息があがることはなかった。昨日登った大嵐山と花の種類は変わりないが、昨日は葉だけのマイズルソウも咲き始めているなど、総じてこちらの山のほうが季節が進んでいるようだ。大岩で一休みしている足元に、白花のイワウチワを見かける。アスナロとブナの中を歩み、1O時に山頂へ着く。雪をつけた会津駒ヶ岳が近い。栃木県側では太郎山と呼んでいるようで、標識も併記してあった。名前にふさわしい雄雄しい感じの山だ。下りてからお蕎麦を食べようということで、早い時間だが昼食にする。
1O時3O分同じ道を下山にかかる。2時に宿の車に迎えに来てもらって、温泉で汗を流す。一寸ゆっくりしすぎて、お蕎麦タイムが5分ほどになってあわてて飲み込む。3時半過ぎの電車は空いていてほっとする。
奥多摩 松生山 |
上州武尊山 |
平成16年7月4日(日) 快晴
メンバー L 八木 藤 高橋 片倉 本多(正) 佐藤 吉田(博) 清水(ふ) 梅澤 川端 三好 計 11名
-片倉 記-
上毛高原駅で全員が揃い、高橋さん、八木さんの車で新緑の中を武尊神社まで車で登っていきます。武尊神社では駐車場にすでに何台かの車があります。裏見の滝を見る遊歩道があります。とてもきれいなトイレもあります。身支度をして、自己紹介をして、アスファルトの林道を林道終点まで歩きます。林道終点では胡瓜、大根、かぶなどの野菜がダンボールの上に乗っています。これは山の奉納でしょうか。雑木の緑の中を沢の音を聞きながら山道を登っていきます。ギンレイ草がところどころに顔を出しています。沢を渡るときは、滑りやすく、足を置くのに平らな石を選んで渡りますが、やはり滑りやすいです。尾根取り付きに、だんだんと視界が開ける岩肌に変わっていきます。シャクナゲのかわいい花が楽しませてくれます。岩屑の堆積した急
斜面の急登を登ります。最後の急な登りはやはり厳しいものがあります。剣ガ峰山からは中ノ岳、前武尊が見えます。剣ガ峰山を少し下がったところ で昼食を食べ、剣ガ峰山から主稜線を歩き、ときどき振り返ると今、今歩いた稜線が見えます。少しの風でも涼しく感じます。沖武尊ノ頂上は一等三角点と方位盤が置かれていて、白根山、赤城山、浅間山などが見えます。沖武尊の下りは藤原武尊峰を下り、針葉樹の尾根は鎖やロープを使って岩場が連続して続き石の上も木の根も土もとても滑りやすく、急坂を下っていきます。手小屋沢の窓のない小さなカマボコ形の小屋で水場はす
ぐ近くにあります。手小屋沢避難小屋を見て、元の分岐の標示のある所までもどり、道を歩いていると、大きな樹が倒れ、道がない状態になっており、八木リーダーが木をまたいでいくと道はありました。下りは花の写真を写したり、オトギリ草、ショウキラン、マイズル草、ゴゼンタチバナ、ウラジロヨーラン、キヌガサ草、ハクサンチドリ、ラショウモンカズラなど花を楽しみながら下っていきます。林道終点では朝、山の奉納と思われる野菜がなくなっていました。武尊神社が見えてきて、今日は、とても暑く、つゆ空とはおもえない夏が来たともいえる太陽がまぶしかったです。車の近くにいくと高橋さんがクーラーボックスから牛乳を出していただき、コップ一杯がとてもおいしく、喉がうるおい、お腹も満足しています。とてもおいしかったです。ごちそう様です。ありがとうございました。
☆コースタイム
裏見の滝駐車場(9:10)武尊神社(9:13)林道終点(9:35)下降合流点(9:55)
大きな沢(尾根取り付き点)(0:40)剣ガ峰山の分岐点(12:10~12:20)剣ガ峰山
(12:25~12:30) 剣ガ峰山の分岐点(12:40~13:05) 武尊山(14:20~14:40)
避難小屋の先の分岐点 (14:25) 下降合流点(17:15)裏見の滝駐車場(17:45)
☆費用
交通費(車両費のみ)入間駅乗車 1人 3,600円
上毛高原駅乗車 1人 1,700円
槍ヶ岳 |
平成16年7月23日(金)~7月26日(月)
メンバー L高柳 高橋(和) 吉田(博) 中出 梅澤 梅澤友人佐々木 三好 計7名
23日(金) 晴 新宿 → 松本駅 → 上高地 → 横尾山荘泊
-高柳 記 -
上高地に向かう途中、タクシーの運転士さんが知りあいの食堂に立ち寄り、温泉卵を受け取り、それを私たちがいただく。今日は車2台なので卵は20個。上高地で歩き始める前、昼食時に卵を3個食べた。上高地を11時50分に出発し、観光客が群がる河童橋を見て横尾山荘に向かう。暑い中、明神池、徳沢園と歩き横尾山荘に14時30分到着
24日(土) 晴 横尾山荘 → 槍ヶ岳山荘 → 槍ヶ岳往復 → 槍ヶ岳山荘
-三好 記 -
前日は上高地から横尾山荘までの歩きのみ。久し振りの縦走ということでザックは重い。何も考えず詰め込んだ。他の人達に重いネ、といわれ初めて気がつく、25年振りだったので、ザックの重さより山へ行ける嬉しさの方が先だった。歩き始めて不安がよぎる。槍に登れるのだろうか、縦走できるのだろうか。横尾山荘からの穂高の山並みに感激、わたしの再登山のはじまりダ!
当日は朝から快晴、ザックの重さを少し調整したので気分的に楽になり、重いとは思わず背中にフイットしている。以外に高山植物もあり、始めのうちは余裕もあり写真を撮ったりする。リーダの休みの按配がよく、疲れたと思った時に休憩、自分で意外な程しんどいと思わず、どんどん高度を上げていく。
殺生ヒュッテあたりを過ぎ、槍ヶ岳山荘が見えるころ安心したのか、疲れた!と感じるようになった。でもあとひと頑張り、槍ヶ岳山荘に着いたときは思わずリーダと握手、何ともいえない感動、感激、登れたんダ!という自信、リーダーや皆のお陰、ありがとう! 乾杯した生ビールのおいしかった事、少し休憩して槍 の頂上へ、岩場がおもしろいと思った、
身体がスイスイいく、頂上はガスっていて視界みえず、残念。記念撮影しておわり、感動の一日でした。
25日(日) 晴のち雷雨 槍ヶ岳→ 大天井ヒュッテ → 燕山荘泊
-吉田(博) 記 -
明け方、槍の穂先は黒く天を衝いている。晴れているようだ。この2、3日午後から一時雨と雷の注意報が出ているので、今日どの辺りで雨に遭うかが一番の関心事。 5時30分、行列が続く槍の穂を背に東鎌尾根の縦走が始まる。周りの山々は霞んでいるが槍の上は青空だ。岩くずの道をゆっくり歩き出す。振り返ると北鎌尾根が荒々しい岩肌を見せている。殺生ヒュッテ、大槍ヒュッテと通過して、尾根通しに長い階段を上り、木製の階段を下り鎖やロープに助けられ等の繰り返し。
思ったよりお花が多く、お花畑がいたるところにあるが名前が半分もわからない。西岳ヒュッテを過ぎ、ここらあたりで燕方面から来てすれ違っていく人はいるが、追い越していく人はいない。天気のせいかしら?大天井ヒュッテに11時40分到着。ここで、水分補給やトイレで大休憩。
これから暑い日ざしの中、大天井岳を巻くジグザクの登りになる。常念との分岐を燕岳方面へ、この先も高度感はないが、剣のような岩場が続く。周りの山はガスが上ってきて白くなり見えなくなってきた。
雲の動きは速く前方に雷雲が見える。岩場を過ぎ、樹林帯に入ったところで雨が落ちはじめ、あっという間に本降りになる。雨具をつけ「大くだり」と呼ばれるここは、かえって湿って歩きやすかった。
この先は晴れていると石ざれの花崗岩の奇岩を見ながら稜線漫歩だが、今日は雷の轟音と時たま走る稲妻を伺いながらひたすら歩くのみ。途中、雨宿りしているグループが、昨日大天井岳近くで雷に打たれた登山者がいて重体だという。このグループは大天井ヒュッテまで行くというがまだまだ遠い。
やっと燕山荘が見えたが、いくつかピークを超えねばならずなかなか着かない。長い。このころには雨脚は細くなり、黒い雲は槍の方へ行ってしまった。槍ヶ岳山荘に設置されていた雷警報器はさぞかし鳴りっぱなしだろう。立ち休みを何度かして待望の燕山荘に15時10分着。
学校登山やツアー客で賑わう山荘の一角をあてがわれ、健闘をたたえ乾杯する。それにしても、疲労感もそれほど感じず、皆元気よく歩いたものだ。 一時止んでいた雨はまた強く小屋をたたいている。
26日(月) 晴れ 燕山荘 → 中房温泉へ下山
-高柳 記-
朝4時起床し朝食後に燕岳を往復した。山頂からは北アルプスの山々が望まれた。燕山荘に戻り身支度をしてから下山にかかる、合戦小屋の手前にある合戦の頭で燕岳に別れを告げる。朝日の中で北燕岳、餓鬼岳が鮮明であった。
中房温泉の下にある有明荘に9時半に着き風呂に入り、3日分の塩辛い身体を洗い、4日間
の山行は終わった。
☆コースタイム
23日(金)上高地(11:10~11:50) 横尾山荘(14:30) 24日(土) 横尾山荘(5:30)
槍沢ロッジ(7:10~7:20) 水俣乗越(8:25) 天狗原分岐(9:30) 槍ヶ岳山荘(12:10~ 12:50) 槍ヶ岳山頂(13:10~13:20) 槍ヶ岳山荘(13:50)泊
25日(日) 槍ヶ岳山荘(5:30) ヒュッテ大槍(6:10) 水俣乗越(7:40) ヒュッテ西岳(9:05~9:10) びっくり平(11:00~11:05) 大天井ヒュッテ(11:40~11:55) 常念岳分岐(12:45) 雷雨始まる(13:45) 降雨の中燕山荘(15:10)泊
26日(月) 燕山荘(5:20) 燕岳(5:40~5:50) 燕山荘(6:10~6:30) 合戦小屋(7:15~7:25)中房温泉有明荘入浴 (9:30~11:10) 穂高駅(11:45)
☆費用
タクシー 松本駅 → 上高地 2台で22,000円(特別料金)
中房温泉 → 穂高駅 ジャンボタクシー 1台9,000円
<覚 書>
- 高 柳 -
朝に新宿を発って上高地から入る場合、1日目を横尾山荘泊りか、槍沢ヒュッテ泊まりか迷うが、翌日が 槍ヶ岳山荘泊まりであるのなら、設備が完備している横尾山荘をお勧めしたい。今回槍ヶ岳山荘から燕山荘まで9時間40分を要し、予定時間より1時間超過した。大天井ヒュッテまでは ほぼコースタイムどおり6時間10分で歩いた。大天井ヒュッテから大天井岳を巻いて燕山荘までのコースタ イムは2時間35分となっているが、実際には3時間15分かかった。
今回パスしたのは、西岳ヒュッテから西岳往復の15分、それと大天井岳山頂を踏むコース45分、合わせて1時間である。
上記のように大天井ヒュッテから燕山荘まではコースタイムより時間を要するので注意。今回のように槍から燕岳に向かって歩くなら大天井岳山頂を踏み、大天井荘に一泊して翌日燕岳を往復し、中房温泉に下山するのが良いと思う。
燕岳から槍に向かうのであれば燕岳を往復して燕山荘に一泊し、二泊目はヒュッテ西岳、三泊目に槍ヶ岳に登り、下って槍沢ヒュッテに泊まり、翌日下山も可能である。
北ア 白馬岳~雪倉岳~朝日岳 |
平成16年7月30日(金)~8月2日(月)
メンバー L国府田 矢沢 広瀬(30日朝発 白馬大池山荘泊)
夜行組(栂池より)斉藤 三好
(雪渓より)小野 中村 吉田(博)
唐松山荘より縦走 八木 合計9名
-国府田 記-
今回は朝発ち組と夜行組、また猿倉より白馬雪渓を登りたいという希望もあって1日目はそれぞれの希望のコースを登り白馬山荘で合流ということにした。
7月30日(金)晴~上部ガス 栂池登山口~白馬大池山荘
伊豆半島方面に大雨を降らせている速度の遅い大型台風10号があり影響が気になったが、取り敢えず朝発ち組の我々3名が出発して現地のお天気の様子を見たうえで夜行の後発の方々に出発の可否を連絡するということで、新宿発7:30のあずさに乗る。白馬駅11:27到着。こちらは台風など関係ないような真っ青な空に白い雲。お天気は大丈夫のようだが、ゴンドラに乗って上に行くほどにガスがたちこめ視界ゼロになってきた。が急激に悪天になる気配でもないので、やっと通じた携帯で出発OKを小野さんに連絡をして他の方々への通知を依頼する。 ロープウェイを降りた登山口の休憩所周辺は登下山者で賑やかだ。今日は白馬大池山荘まで3時間の行程なのでコメツガなどの樹林帯の道をユックリと登る。1時間余りで天狗原の湿原に出る。池塘もありワタスゲやイワイチョウなど見られ広々として気持ちよい。風吹大池の分岐から乗鞍岳への登りが始まる。岩場の急登は結構長くきつい。一段落して雪渓を横断すると又ひと登りして乗鞍岳の標識のあるハイマツ帯の広い山頂に着くがガスに覆われて展望もなく、通り越して大池山荘へと向かう。ここも岩石の下り道で歩きにくい。やがて白馬大池が現れ山荘も近づいたかと思うがまだしばらく池畔の岩ゴロ道が続く。滑って転びでもしたら池の中にドボンだろう。ガスで周辺が見えなかったが気がつくと山荘前だ。小屋はツァーの登山者が多く満杯のようで8人の相部屋で狭苦しい。殆ど実のないルーだけのカレーの夕食を済ませ床についた。
☆ コースタイム
栂池登山口(13:10)風吹大池分岐(14:30)(乗鞍登山口)乗鞍岳(15:40)白馬大池(16:40)
7月31日(土) 晴~時々ガス 白馬大池山荘~白馬山荘
今日は白馬山荘まで4時間弱、5時半の宿の朝食を済ませて6時過ぎに出発する。 青空が出ておりお天気は心配なさそうだ。小屋の前の広い稜線を登って行く。イワギキョウ、ミヤマダイコンソウなどの花々が沢山見られる。時おりガスが出て視界もなくなったりするが晴れれば白馬、鉢ガ岳、雪倉などを眺めながらの展望よい稜線だ。夜行組の方々はもう大分歩いたことだろうと携帯を入れて見るが全く繋がらない。雷鳥坂を過ぎたピーク辺りから小蓮華山への稜線ではしばしば吹き飛ばされそうな強風に煽られ腰を屈めながら登った。やはり台風10号の影響だろう。小蓮華山頂に着くと強風はうその様に静かになった。風の当たらない方角にカーブしているからだろうがガスがかかって展望は皆無。一瞬陽がさして間近に白馬、雪倉、など姿を現すがまたガスに包まれてしまう。雪倉岳への分岐の三国境から白馬への登りにはヨツバシオガマ、ミヤマツメクサ等と共に、岩石に守られるように寄り添う可憐な花々が咲き揃い明日の雪倉岳への花々の予備案内をしているようだ。白馬岳の頂上ではガスがたちこめ展望もなく一休止して小屋に入る。 予約済なので一同分纏めて宿泊手続きしようとしたがやはり到着順の受付と言われやむなく3人分だけ手続きをして大部屋をあてがわれた。
2時近くになって雪渓からの吉田(博)さんが到着、後のお二人さんは遅れるとの事、まもなく唐松岳からの八木さんも到着。ここで全員到着したことにして宿泊の会計を済ませ全員同じ部屋でと、交渉してOKとなった。栂池からの斉藤、三好さんも3時前に到着、やがて雪渓からの小野、中村さんも到着し、これで全員無事合流完了。部屋で(といっても3人ず つの箱部屋であるが)ビールで乾杯、歓談をしながら夕食までの時間を過ごした。
☆コースタイム
31日 白馬大池小屋発(6:10)小蓮華山(8:25~50)三国境(9:30~45)白馬頂上(10:45~11:00) 白馬山荘(11:05)
7月30日(金)~31日(土) 晴後濃霧(2日とも) 八方尾根~唐松岳~白馬岳 -八木 記-
バスで栂池自然園へ向かう国府田、矢澤、広瀬さんの3人と白馬駅で別れ、八方尾根スキー場山麓駅まで炎天下のなかを歩いた。目指す山は唐松岳である。明日は白馬山荘で仲間と合流して、雪倉岳、朝日岳へと縦走する予定である。ゴンドラ、リフトと乗り継いで、第一ケルンで降り、ここからしばらくは観光客と足並みを揃えて、足元の可憐な花を見ながらの雲上散歩である。八方池を通り過ぎて登山道を見渡せば、数組の登山者の流れを見るだけである。足元も軽やかに歩いている、5、6人の若い女性のグループに明日の行き先を問えば、五竜岳に登ると言う。それとなく不帰ノ剣の様子を知りたかった事と、この女性達も登るならば不帰ノ剣も案外とくみしやすいのではないかと思ったが、当てが外れた。ガスに覆われて周囲の景色は望めず、ひたすら尾根道を歩くだけであるが、草に包まれた登山道が茶褐色に変わると、いよいよ高山の雰囲気が高まり、まもなくして宿泊地の唐松岳頂上山荘に着いた。
翌日朝、5時5分に小屋を出発した。唐松岳はここから20分ほどの道のりである。夜明けを山頂で見届けるためか、ほとんどの人は空身で登っていた。強い風が体を揺るがせるように吹き、遠くの山の稜線には黒い雲もかすめて、どことなく不安をあおるが、青い空も見られるので、仲間と合流すべく白馬山荘へと向かった。唐松岳で不帰ノ剣に向かう人がいるかどうかしばらく様子を窺っていたが、そのような気配も見当たらず、やむなく重い腰を上げた。行く手には岩峰がそそりたち、不帰ノ剣らしき雰囲気も呈し始めるが、そのような険悪な様相をよそに、今の所、足元を脅かす所はない。唐松岳を下り始めて1時間30分ほど経つと、思わず息を呑む場所に来た。冷静にこれから辿るルートに目を走らせると、爪先は目も眩むような絶壁であるが、行く手には鎖も岩盤に沿って張ってあり、そこを手で伝いながら、足を踏み掛ける場所に注意しながら3メートルほどトラバースし、そのまま下に移動したら数人は立てるスペースがある。後は岩の斜面を鎖で伝いながら10メートルほど下るだけである。終わってみれば、ここが唯一の難所というべき所であった。時間を経るに連れて風も弱まり、いつ晴れるとも知れない黒い雲も山の稜線から姿を消し、真っ白な雲だけが時おり山肌を這い回っていた。緊張が解けて、それとなく足が速まる 気持ちを抑えながら、稜線漫歩を楽しみつつ幾つもの大きなピークを乗り越えるが、目の前に白い山肌の鑓ヶ岳が見えたことで、少しなりとも白馬山荘に近づきつつあることを感じた。しかし白馬三山と称される鑓ヶ岳、杓子岳のひとつひとつが途方もなく大きく聳え、足の疲れもピークに達しつつあり、何度も何度も立ち休みをしながら登った。賑やかな人の声が聞こえると、漂うガスの切れ切れに大雪渓から登ってくる人の流れが見ることができ、定めし白馬山荘はいつもの事ながら大層な賑わいを呈しているのだろうと想像がついた。白馬山荘に着いたのが14時5分であった。
☆ コースタイム
30日 白馬駅(11:30)八方尾根スキー場山麓駅(12:10)ゴンドラ~リフト~リフトで第一ケルン(12:35) 八方池(13:25)丸山ケルン(14:40~15:00) 唐松岳頂上小屋(15:40)
31日 唐松岳頂上山荘(5:05)唐松岳(5:25~5:40)天狗の頭(9:40)天狗山荘
(10:10~1030) 鑓温泉分岐(10:55)鑓ヶ岳(11:30)大雪渓分岐(13:30~13:50)
白馬山荘(14:05)
7月31日(土) 晴れ後曇り後晴れ 猿倉~白馬山荘
-吉田(博) 記-
写真で見たように登山者の列が途切れることなく続き、その中に入ってしまうと勝手に休むことも進むことも出来ず、前の人に合わせるしかありません。今年は雪が少なく小雪渓のトラバースはなく安心でした。あまりの人の多さに今日の宿泊の広さが気になりますが、人に比例してお花もいっぱいで登りのつらさをなぐさめてくれました。
☆ コースタイム 猿倉登山口(6:30)葱平(10:30)白馬山荘(13:55)(遅組15:00)
7月31日(土) 晴れ後曇り後晴れ 栂池高原から白馬岳へ
-三好 記-
白馬駅に降り、急きょ斎藤さんと2人で栂池から白馬岳をめざす事にする。駅前からみる白馬の大雪渓に27年前に登った思い出がよみがえる。今回の栂池コースは初めて、高山植物も多いという。胸躍らせる。ゴンドラ、リフトを乗り継ぎ自然園着。AM7:30いざ出発。朝のうちお天気は晴れていて白馬の山並みが見える。2人で花を見ながらゆっくり登りましょうと。樹林帯のジグザグ登りがおわると天狗原。大きな湿原だ。ここまでの間にも沢山の花々に会う。乗鞍岳へは大きな岩が積み重なる急登。登りずらい。雲行きもあやしくなりガスがかかる。白馬大池が一瞬見えたりすぐ隠れたりと。風もでてきて雨具を着こむ。白馬大池山荘前の湿原ではガスって花は見れず。以前はハクサンコザクラが沢山咲いていたが、随分少なくなったと斎藤さんがおっしゃっていた。めざす小蓮華山が視界の悪い中、なかなかつかない。お天気だったら白馬岳の展望がよいだろうにと残念。小蓮華から三国境、白馬岳へはヤセ尾根が続く。途中雷鳥の親子にも出会う。夜行の疲れが出てきたのか、白馬岳登頂PM2:30。沢山の人達がいる。さすが人気の高い山だ。 斎藤さんから高山植物の名前をききながら登る。さすが花博士といわれているだけあり。実にお詳しい。驚き・ありがとうございました。私も見習いたいものです。
☆ コースタイム
自然園(7:30)乗鞍岳(9:50)白馬大池(10:40~10:50)白馬山頂(14:30)白馬山荘(14:50)
8月1日(日)晴 白馬岳~雪倉岳~朝日岳~朝日小屋
-広瀬 記-
台風10号の進路を気にしつつ、4組にわかれて白馬山荘に集合した9名は朝を迎えた。ご来光を山頂で待つ人々の往来で賑やかだ。山荘からは、剣・立山をはじめ越後の山々などぐるりと見渡せて、天気にも恵まれた楽しい山行になりそうだ。 5時出発。9名揃ったところで記念撮影をとる。沢山の登山者と一緒に三国境を目指して歩みを進める。三国境からは殆どの人が小蓮華に向かって行く。雪倉岳を目指す人は少ない。広い砂礫の斜面を下って雪倉岳避難小屋に向かう。期待通りに花が次々とあらわれる。紫外線をいっぱいに吸い込んでみんなとても鮮やかな色をしている。あまり沢山の高山植物で、どこで何が咲いていたのかいちいち書き記せないのが残念だ。写真をとったり、休憩中も周りの山々を眺めたり忙しい。お花畑は青い空、残雪の白に映えてことのほか美しく、つい歩みが遅くなる。避難小屋からは又登りがはじまる。 雪倉岳の山頂では後立山連峰と、より近くなった越後の名峰をあらためて眺める。ここから長い急下降になり、水場のあるつば
め平にでる。砂礫を好む花に加えて、湿原を好む花もあらわれて花の種類もふえてゆく。やがて小桜ヶ原に出る。行く手に朝日岳が形よく見える。 今夜の宿、朝日小屋へは朝日岳山頂を踏んでから行く道をとる。樹林帯の急登がはじまる。山頂付近で少しガスがかかるが、暑くて大変だったのでそれすら助かった感じになる。朝日岳から小屋まで40分というが、下ってほんのわずかの登りかえしさえきつく感じる。約10時間の道のりだった。今回みた花は書き留めた分だけで70種を越しているので、見逃したり、名前の分からないものなど含めると80種はゆうに越すと思う。まさしく花の名山だ。9名それぞれに思い出に残った花があると思うが、ここで原稿を書かせて頂いた役得ということで、私の印象に残った花の名の一部を書き添えさせて頂く。
タカネナデシコ.・タテヤマウツボグサ・タカネシオガマ・ミヤマムラサキ・タカネマツムシソウ・ハクサンコザクラ・カライトソウ・シロウマアサツキ
☆ コースタイム
白馬山荘発(4:55)白馬山頂(5:10~20)三国境(5:50~6:05)鉢ヶ岳鞍部
(6:50~7:05朝食)避難小屋(7:50~8:10)雪倉山頂(9:05~9:25)
(早組、遅組に分かれる)ツバメ平(11:05~11:25)朝日岳登り口(水平道分岐)
(12:20~30)朝日岳頂上(13:45着)(遅組14:30~40)朝日小屋着(14:45)
(遅組15:40)
8月2日(月)晴 朝日小屋~泊駅
-国府田 記-
天気に恵まれ、期待以上の沢山の花々の出会いを楽しんだ満足感を胸に、今日は帰途への下山をするだけである。朝日小屋のおいしい朝食を済ませて5時半には出発できた。小野さん、中村さんの二人はユックリ歩きたいからと朝食をとらずに先に出発。この小屋は3人の子供の母親であるという元気な若いおかみさんが管理しており、前夜のマンモス山荘と違い食事も家庭的料理でおいしく管理人の細やかな気配りが感じられる印象のよい山小屋であった。小屋を後に30分程下った夕日ガ原の広い湿原には一面に咲き揃ったチングルマの大群落に会い、思わず歓声をあげる。下山道も さまざまな花に会いしばらくは楽しい下りである。ゆるい登りのイブリ山に着き、ここからのイブリ尾根は樹林の中の岩ゴロのせまい沢状の急下降路となり歩きにくい。キヌガサソウの群生地でもあるらしく花の咲き終ったキヌガサソウを所々で見かける。5合目のブナ平で先に出発した小野さん中村さんに追い着く。
2合目あたりに来ると下方に北又ダムが見下ろせ終点も近づいたようだ。北又川に掛かるツリ橋を渡って北又小屋への車道に出るまできつい階段を登らねばならない。疲れた足には応える。車道を3~4分登ると北又小屋である。10時半到着。タクシーを予約した予定の時刻より2時間も早く着いた。タクシー会社に連絡し早い時刻に変更して来て貰う。
行程最後の仕上げの入浴は、朝日小屋の若おかみさん推奨の小川温泉よりタクシー代も風呂代も安くすむ町営の健康センターで3日間の汗と汚れを落とした。風呂からは朝日岳も見えて温泉ではないが、いいお風呂だった。帰りもタクシーが健康センターに迎えに来て呉れ、泊駅まで送って呉れた。泊駅から2時10分発の電車に乗り帰宅の途に向かった。
☆ コースタイム
朝日小屋発(5:30)夕日ヶ原(6:05)イヴリ山(7:10)ブナ平5合目(8:30)北又小屋(10:30)
☆費用
北又小屋~町営健康センターラクチーノ ジャンボタクシー 30分 14,000円
会津 磐梯山・雄国沼 |
平成16年8月28日(土)~29日(日)
メンバー L 魚津 佐藤(忠・千鶴子) 吉田(博) 清水(ふ) 三好 計 6名
8月28日(土) 曇り 時々晴れ - 魚津 記-
早朝聞いた福島中通り地方の天気予報は、28日,曇り、夜遅く雨、29日雨になった。そこで主目的地の磐梯山を28日に持ってくることを、メンバーに提案し賛同を得た。猪苗代駅に最も近い猪苗代登山口から登り、八方台に下るコース(登り 3:30、下り 1:30)と、八方台から登り、八方台に下るコース(登り 2:30、くだり 1:30)について討議した所、八方台から登る案に決定した。
猪苗代駅に着き、迎えてくれた宿のオーナー運転の車に乗った。磐梯山の頂上部は雲に覆われている。車は磐梯高原を経由してゴールドラインに入り八方台の駐車場に到着した。軽い準備体操の後、登山届けをして歩き始めた。ダケカンバの林が美しい。中の湯は休業中、オヤマリンドウの花に囲まれた源泉からは白い湯が流れ出ている。建物の鉄板は錆びてボロボロになっている。人が住まなくなると腐食の進行は早いものである。
少し登ると展望の良い所に出る。裏磐梯高原の沢山の湖沼が綺麗に見える。近くには赤く濁った銅沼が見え、遠くには頂上部を雲の覆われた吾妻山系が広がっている。タカネヤハズハハコ、ミヤマアキノキリンソウ、アザミ等の花を見ながら歩く。お花畑で昼食にした。周りにはトモエシオガマの花が多い。ガスが濃くなり寒くなって来たので、歩き始めた。ミヤマナデシコも咲いているお花畑を回って登ると弘法清水、大勢の登山者が休んでいる。「5度Cの水」はなかなか旨い。
ウメバチソウ、ミヤマダイモンジソウの花を見ている内に頂上に到着した。
頂上は風が強くガスの中、何も見えない。磐梯山の看板の前は写真を撮る人が順番待ちである。何番目か待って記念撮影、風下の岩の陰で休憩した。イワオトギリの花が咲いている。休んでいる内に青空が見えて来たがガスは残り、自慢の展望を楽しむことは出来なかった。弘法清水に戻って鐘を鳴らし、宿の車の待つ八方台駐車場に下った。
8月29日(日) 曇り 時々晴れ のち雨
会津地方の天気は、曇り昼過ぎより雨となり、少し改善された。雄国沼以降は雨具着用を覚悟して、車は9時に出発した。八方台で登山届けをして歩き始めた。風は強くガスがかかっていて展望は悪い。ツルリンドウ、ヤマアジサイ、ミヤマアキノキリンソウ等の花が咲いている。ガスの切れ目に猪苗代湖が見えたと後ろの方から聞こえた。猫魔ケ岳頂上に着いたが、ガスで何も見えない。猫魔ヶ岳の名前の由来は、「その昔、ここには化け猫が住み着いて人を食ったという伝説による」そうである。少し下ると猫石である。化け猫が石になったのか、どこが頭か手か分からないが、いろいろな形に見える。
青空が見えて来て、下の方に雄国沼が見えて来た。ブナの枝を通る木漏れ日が美しい。何本もの沢を渡る。ミヤマトリカブト、ヤマホタルブクロ、ツリガネニンジン、イワブクロ、タテヤマウツボグサなどの花が多くなったら雄国沼に到着である。沼を回って雄国沼小屋に着いた。昨年完成した丸太作りの立派な小屋では、30名以上の登山者が昼食の最中である。我々も昼食にした。
湿原の散策に時間位予定していたが、猫魔ヶ岳越えに以外に時間がかかったので15分位湿原に向かって歩いて見た。湿原にはミヤマトリカブトやミヤマアキノキリンソウ等が咲いていた。小屋に戻って雄子沢口に向かって樹林帯を下り始めた。青空が消え、雲が厚くなって来た。下山口迄1.3km の地点でとうとう雨になり雨具を着用した。下山口に待っていた宿の車に乗り、裏磐梯高原国民休暇村の温泉に送って貰った。 露天風呂は「こがね風呂」といい、赤色の温泉である。汗を流し、ゆったりと休養をとった。
☆コースタイム
28日 猪猫代駅(9:44~9:47車) 八方台(10:20~10:30歩) 中の湯(10:57~11:02)お花畑昼食 (12:13~12:35)弘法清水(12:45~12:50) 磐梯山(13:20~13:45)
弘方清水(14:13) 八方台(15:47~15:55 車) 宿(16:10)
29日 宿(9:00車)八方台(9:15~9:20歩) 猫魔ヶ岳(10:30~10:45) 猫石(11:05)
雄国沼小屋(12:15~13:05) 雄子沢登山口(14:23~14:25 車)裏磐梯国民休暇村(14:45)
☆費用
ゴールドライン通行料金 730円 (1台)・・・3回
裏磐梯国民休暇村の温泉 1,000円 (1人)
宿泊費 あかねペンション 7,560円 (1人 1泊2食)
追 記 磐梯山登山 3回計画しました。
1回目は、平成12年8月19日(土)~20日(日)です。4人参加でしたが、1週間前に火山性自薦のために入山禁止となり、中止になりました。
2回目は、平成13年8月18日(土)~19日(日)です。申込み1名で中止にしました。
3回目が今回です。当初10名参加予定と大勢で、宿には車2台での送り迎えを依頼しました。その後出発前日も含め4名のキャンセルがあり、車1台で間に合いました。4名全員のキャンセル料不要と言って下さいました。毎年、スキーで宿泊しているリピーターへの配慮と思っています。
車代もサービスと言って下さいましたが、猪苗代駅から宿迄のタクシー代は、1台約6千円です。登山口、下山口への送迎も考え、「少しですが、ガソリン代の一部に」と6人で6千円を包んで受け取って貰いました。
磐梯山は私が登った東北では最初の山です。登ったのは約50年前で、大変暑かったと記憶しています。懐かしい山に計画3度目で登ることが出来ました。天気も予報より良くなり、ほっとしています。ご協力有り難うございました。(魚津)
西穂高岳~奥穂高岳 |
平成16年9月3日(金)~5日(日)
メンバー:L高柳、 八木、吉田(博)、中出、梅澤、三好 計6名、
山岳ガイド 近藤、大場
3日(金)晴 松本駅→新穂高温泉→ロープウエィ→西穂山荘泊
― 高 柳 記 ―
駅よりジャンボタクシーに乗り晴天の中、新穂高温泉へ向かう、平湯に向かう山道で運転手が首をひねりフロントガラスから空を見を見上げ「うーん、あまり良くないな」という、空は雲ひとつない晴天である。地元のタクシー運転手の天気予想は当たるが、今回は信じたくはない。ロープウエィを乗り継ぎ西穂高口からぶらぶらと歩き西穂山荘に着いた。
4日(土)曇りのち雨 西穂山荘→ジャンダルム→奥穂高岳→穂高岳山荘泊
― 八 木 記 ―
覆い包むガスの中に、朝の光が兆し始めた頃、西穂山荘を出発した。時間は5時ちょうどである。予想された事であるが、天気の様子が思わしくない。不安と期待が交錯する中、ともかく、ガイドを務める近藤さんに導かれて足を進めた。最後尾は、やはり、ガイドを務める大場さんである。
山肌を覆うハイマツの中の窪地を歩き進めるが、ゴロゴロした石の上を慎重に足を運んだ。
斜度のきつい急坂を登り詰めると、しばらく、なだらかな稜線歩きである。ガスに漂う大きなピークが、後方の山々を覆い隠し、ゆっくりとしたガイドの足運びに倣いながら尚も進むと、登り切ったピークの上にさらに高いピークが現れ、あたかも幾重にも張られた敵の戦陣を突破するが ごとくである。
幾つものピークを登り下りして、ずんぐりとした岩峰が目に入ると、そこが独標である。よもやガスなど晴れるはずもないと思いながら、悪くなる一方の天気を気にしつつ空を見上げると、一瞬、おびただしくガスが流れ、その切れ目から、天高く青い空が片々と覗き、眼前には、サッとカーテンを引いたように、山々の稜線を現した。
しかし、またたく間にガスに包まれ、これ以後、展望はまったく望むことは叶わなかった。やせ尾根の稜線を何度も登り下りして、一層、急峻な岩場を乗り越えると、西穂高岳である。天気予報が外れることに、一縷の望みを抱いて、取りあえず、ジャンダルムに向かったが、これから先は、ガスに包まれた、ピークのおぼろげな黒い影を、何度も見据えての登高である。 想像を働かして不安を、増々駆り立てるに相違ないと、ガイドブックには目を通さずに来ては見たが、何処に、何があるか位の知識は持つべきであったと感じた時は遅きに失した。最初の鎖場は、難なきを得たが、次第に険悪な様相を帯びつつある行く手の難所に、ただただ仲間に伴われながら切り抜けた感を拭い得なかった。 天狗ノ頭へ向かう登りは、逆層スラブと言うそうであるが、見た目には傾斜の乏しい岩盤であるが、足を滑らすと、たちまちの内に転げ落ちることは目に見えており、気持ちの中では、補助のつもりで鎖を手に携えるが、幾らか持つ手に力がこもることもやむを得なかった。
天狗のコルの下りは、鎖の吊るしてある垂直の岩場であるが、覗き見るような体勢でないと、爪先を下ろす岩の角が掴めず、やはりザイルに頼るに越したことはないと思い定めると、安心感も手伝って難なく下ることができた。
前方に見覚えのある岩峰が、ジャンダルムであることは、すぐ察したが、ガイドの話の様子から、巻いて通過することに、密かな安堵感が胸の内を走った。しかしながら巻いて歩くとは言え、一旦、右側の切れ落ちた岩壁に取り付く必要があり、ボルトに足を乗せて人の立てる位置まで一気に体を持ち上げ、尽きる事のない足下の絶壁に、めまいを覚えながら、右側にトラバースして岩峰を回りこんだ。
この頃には強い雨が強く音を立てながら合羽をたたき、まだ先の続く長い道のりに、気持ちが止めどもなく打ち沈むが、気を奮い立たせて、濡れた岩に注意を払いながら先へと進んだ。ガイドの大場さんが、右側のひときわ高い岩がロバの耳であると教えてくれたが、ここまでくると、そのような関心が生じるはずもなく、行く手のことが、気になるばかりである。 見上げるようなロバの耳の巻き道から、鎖を伝いながら急下降を辿り、さらに、その先の岩盤の斜面に、鎖が延べ渡されているのが見えるが、濡れた岩肌に、いやがうえにも不安を募らせていると、一人ひとり、ザイルをハーネスに通して下ることになった。下って振り向くと、さほどの傾斜も帯びておらず、拍子抜けの感もしたが、左側の切れ落ちた所に目を奪われた恐怖心が、目を惑わせていたようである。
そそり立つ、黒々とした、ピークの何処に、登山道があるのかと思わせるほど、急峻な登りが上へ向かって続いているが、取り付いてみると、しっかりとした足元であり、それこそ這いつくばうようにして登った。登り切ると、幾つかのピークが、ガスの中に漂うが、奥穂高岳も目に見えていることは、間違いないはずである。 ギザギザした岩峰が、ガスの奥に淡く目に映るのを、他人事のようにして眺めるが、直前までくると、そこを登り切ることは疑いのないことであった。なぜ、こんな切り立った所を登らないと、奥穂高岳に行き着けることができないのかと、自然の造作の妙に、腹立たしさも覚えるが、何しろ隈なく周囲を覆うガスで、山の全体の様子が分からないので、勢いにまかせて、八つ当たり気味に馬の背を登った。
岩の間に足を運んでいる分には、恐れおののく気持ちも薄らぐが、先が狭まって、右側の足先を、ギザギザした岩の外側に投げ出して体重を乗せると 、そのまま滑ってしまう不安に襲われ、スーと足元から血の気が引いた。ようやくの思いで馬の背を脱すると、奥穂高岳の山頂を示すドーム状のピークが間近に見られ、長い長い一日を終えたことに止めどもなく嬉しさが溢れた。雨の山頂に着いたのが15時15分である。
5日(日)雨 穂高岳山荘→涸沢→上高地→松本駅
― 高 柳 記 ―
昨日から間断なく降り続いた雨は今朝も降っている。朝食を食べ6時にガイド二人に見送られ出発した。ガイドは我々とは反対側の新穂高温泉に下り、置いてきた車で住まいがある大町まで帰るという、下りに4時間くらいかなと言っていた。
小屋を出て岩道のザイテングラードをそろそろと下り、涸沢小屋に着いたが雨はいっこうに止む気配はない。靴の中の水は体温でお湯になったらしく、温かくて指がよい気持ち。新村橋の手前であったろうか、小猿を連れた30匹ほどの猿の群れとすれ違った。横尾山荘からは惰性で歩き、上高地のバスターミナル13時45分に着いた。ザックをベンチに下ろしたら奇跡のように雨が止み、薄日が差し始めた、なんということだろうか。こうして念願の会山行は終了した。
☆ コースタイム
3日/松本9:38~9:50新穂高温泉11:45(ロープウェイ)西穂高口12:10~12:30
西穂高山荘13:45着
4日/西穂山荘5:00独標6:15~6:20ピラミッドピーク6:45~6:50西穂高岳7:35~8:00赤岩岳8:50→間ノ岳9:35→天狗岳10:50→天狗のコル11:45→ジャンダルム巻道13:30→ロバの耳14:00→奥穂高岳15:15~15:25→穂高岳山荘着16:00
5日/穂高岳山荘6:00→涸沢小屋7:50→新村橋9:45→横尾山荘10:45~11:10徳沢12:05~12:10明神池13:00~13:05上高地13:45
☆ ジャンボタクシー1台 松本駅→新穂高温泉 31,500円 上高地→松本駅 12,000円 ☆ ガイド料金 近藤氏および大場氏 ガイド料1日(3万円+交通費4千円)×2人 入下山2日分拘束料2万円
小屋代 約9,500円×2日×2人
総計126,000円/参加者1人21,000負担
〈穂高連峰、剱岳を終わって〉
-高 柳 正 敏-
1.平成14年7月20~24日:大キレット
*横尾山荘泊→氷河公園→南岳小屋泊→大キレット→北穂→涸沢→横尾山荘泊
*参加者:高柳、斉藤、片倉、清水(ふ) 計 4名
2.平成15年7月20~24日:剱岳
*剣沢小屋泊→剱岳→別山乗越小屋泊→雄山→室堂 *参加者:高柳、本多(郁)、斉藤、中村、八木、片倉、本多(正)、東濱、吉田(博)、清水(ふ)、木代 計 11名
3.平成16年9月3~5日:西穂岳~奥穂高岳
*西穂山荘泊→ジャンダルム→穂高岳山荘泊→涸沢→上高地
*参加者:高柳、八木、吉田(博)、中出、梅澤、三好 計 6名+ガイド2名
北アルプスの登山コースの中で難コースといわれている上記三つのコースを、会山行として無事故で終了することができました。参加された皆さんの経験の蓄積の成果です。
当会も20余年を経てこのコースが歩ける会になりました。わたしはこの3コースを会山行として歩くことを目標にしてきました。そのために岩と鎖がある裏妙義山などを計画し、また通常の山行でも会員の技術を見てきました。しだいに会員の山へのレベルも上がり、個人山行も増えてきました。会山行のリーダーでなくても個人山行ではリーダーを務める会員も増えてきています。
今が会の爛熟期という認識を得たときこの3コースを実施しました。平成14年7月に大キレットを無事通過し北穂高岳に至りましたが、そのときの安堵感は大きなものがありました。参加者が4名と少なかったのが予想外でした。
そして、平成15年7月に梅雨明けが遅れ天候が気になりましたが、好天に恵まれ剱岳を終了しました。ダジャレの好きなわたしも緊張からシャレも出ず。登頂後、前剱まで戻ってきて初めてダシャレが出たのを思い出します。
最後の西穂~奥穂は、歩きたいという会員からの要望も強くなり、当初4、5名で個人山行にしようかと考えました。会山行として計画するなら少なくとも5名以上の参加者が必要と考え、それ以下なら会山行とはいえない、という思いがありました。幸いなことに希望者が8名いることが分かりました。行動時間が10時間、コースの状態が昔と同じなのかどうか下見ができていない、そして何よりわたしには8名を引率してコースを無事に通り抜けるという自信が無く、山岳ガイドを依頼することにしました。参加者は結果としては6名でしたが、一時は希望者が11名までになり、ガイド氏にガイド2名でだいじょうぶか確認したこともあります。
今回、参加された方は理解されたことでしょうが、このコースは好天が絶対条件なのです。登攀技術がない当会は降雨の場合、非常に悪い状況になります。でも、好天であればコースも読め、岩も滑らず、あたかも裏妙義山と剱岳を合わせたようなこのコースは難しいものではありません。
以前に会員からこのコースの状況、難易度を聞かれましたが的確な表現ができませんでした。技術としては難しくはないが、天候しだいでは生死を分けるコースということでしょうか。ガス、雨、強風、いずれも身を危険にさらすことになります。
3つのコースを終了し、参加延べ人数21名、当会の地平に穂高連峰と剱岳を望むできたことを大変に嬉しく思います。しかし、大キレットの参加者が少数であったのが残念で、会山行として継承していくためには、今一度このコースを実施する必要があると考えています。また、西穂から奥穂も今回参加を希望しながら参加できなかった会員のためにも、今度は奥穂~西穂へ好天時に歩けたらと願っています。
御坂山塊 節刀ヶ岳/鬼ヶ岳 |
平成16年9月12日(日) 快晴
メンバー:L本多、 広瀬、小野、中村、高橋、国府田、八木、堀内、佐藤夫妻、吉田(博)、
清水(ふ)
-本多 記-
リーダー初仕事であり、多少の緊張があるところに集合場所の高尾駅で5名見当たらず一瞬不安を覚えたが、振り返ってみればいつものように先行組があった訳で河口湖駅にて全員集合とあいなった。
天気は数日前の予報を覆して正に快晴の秋日和(ぜいたくを言えば多少暑すぎるくらい)であった。大石のオートキャンプ場近くまでタクシーで行き、そこからは登山道に入った。
6月の下見時には花がかなり散見できたが、登山道に入ってあまり見当たらず、赤飯の上のゴマ塩が欠けているように多少味気なさを覚えていたが、これも杞憂に終わり、杉林の中、フウロ、ミズヒキ、キバナアキギリ、トリカブト等々色とりどりに下山まで目を楽しませてくれた。
暑さのせいもあったのか予測より時間を要したが、河口湖を見下ろす大石峠に出た。本来ここは富士の絶好の展望台であるが、今日はガスって見えず残念。
稜線上をいくつかのピークを登り返しながら節刀ヶ岳に着いた。舞台の張り出しに立ったようなめくるめく眺望が得られ、三ツ峠、御坂黒岳が東側に、又間近には黒々とした鬼ヶ岳が豪快な眺めだ。 金山経由で少し下がると鬼ヶ岳の岩稜が目前に迫り、スリルに富んだ展開である。鬼ヶ岳の山頂は狭いがここも360度の展望である。次から次へと岩峰を登り返しながら、鍵掛峠に至るが退屈させないルートである。 尾根から右の斜面を急降下し、沢を右岸に渡り、未舗装林道に出て根場民宿のバス邸を目指したが、バスが出てしまった直後であり、やむなくタクシーのお世話になった。
変化に富んだ楽しいコースで、参加各人 も満足されたかと思うが、河口湖駅で無事、山行を終えた瞬間ホッとしたというのが率直な感想である。
☆コースタイム
河口湖駅(8:45) 大石オートキャンプ場(9:10)大石峠(10:50)節刀ヶ岳(12:15)
金山(13:05)鬼ヶ岳(13:30) 鍵掛峠(15:00) 根場民宿(16:15)
☆ 費用
交通費 高尾 - 河口湖(往復3,360円/人)
タクシー(往復2,000円/人)
五郎山/林岳(奥秩父) |
9月18日夜行~19日(日)晴
メンバー L矢沢 広瀬 小野 中村 国府田 吉田(博) 宇野 計7名
一矢沢 記一
夜行列車を利用し小淵沢駅にて仮眠後、小海線始発電車で信濃川上へ。清里駅より前日「独鈷山」を歩いて来た広瀬さん達4人と合流しました。
八ヶ岳 赤岳(2899m)~阿弥陀岳(2803m) |
平成16年10月2日(土)~3日(日)
メンバー:L高柳、 高橋、清水(ふ)、三好 計4名
2日(土)晴のち曇り
茅野駅→美濃戸口→行者小屋泊 ― 高 柳 記 ―
茅野駅よりタクシーに乗り、美濃戸口に向かう。茅野駅に向かう「あずさ号」の車窓からは、青空が輝いていたが、タクシーの車窓からは目指す赤岳付近は雲がかかり、どんよりとしてきた。ああ、昨日は台風一過のすっきりした青空だっのになぁ、明日まで保って欲しいと願うのみ。着いた美濃戸口の標高は1500m弱。 美濃戸口からはタクシーが入れないとのこと、しばらく車道歩き、しかし一般車は入れるようで後ろから車が来る。そのたびに車道の脇に身を寄せ通り過ぎるのを待ち、再び歩き出す。幾回か、このようなことを繰り返すうちに美濃戸についた。「やまのこ村」の名の山小屋の前のイスに腰を下ろし、少し早いが昼食タイムとした。先ほどの車は、このあたりの山小屋の駐車場まで来たようだ。
昼食を終え、進むとほどなく車止めのゲートがあり、ここから、やっと登山道歩き。ごつごつした礫の道だが、何だか楽しくなってくる。しばらくは樹林帯のなかを沢沿いに進む。沢を幾度か渡渉し、右岸を進んだり、左岸を進んだりを繰り返す。やがて沢の水がとぎれ枯れ沢になった。樹林帯を避け、この枯れ沢を歩く。樹々がなく、八ヶ岳の峰々が見え隠れするように眺められる。やはり頂は雲に覆われている。
再び樹林帯に入ると、真っ赤な実をつけたナナカマドの樹が迎えてくれた。デジカメにその赤い実を収める。ほどなく、行者小屋についた。なんともあっけない感じである。今日はここまで、明日、赤岳・阿弥陀岳を目指す。行者小屋の標高は、2300m半ば。時間は1時過ぎ、夕食まで、どう過ごそう、たっぷりと時間がある。
3日(日)雨
行者小屋→地蔵尾根→赤岳→文三郎尾根→行者小屋→美濃戸口→茅野駅 ― 高 橋 記 ―
昨夜の天気予報では、午前中は降水確率20%、午後は60%であった。まっ、これは里の話、山はもっと厳しいだろうと覚悟していたものの、夜半から降り出してきた。
5時半からの朝食を終えると、身支度に取りかかる。最初から雨具やスパッツを装着する。小屋の裏手から地蔵尾根の道を進む。山頂までの標高差は600m以上。
かなりの急傾斜でつづら折の登山道である。樹々は未だ紅葉しておらず、樺の樹は、紅葉する前に葉を落としている。幾度となく上陸した台風のせいだろうか。つい3日前にも台風21号が通過していった。足下の土や石・岩は雨に濡れ地肌の色を見せている。火山灰に溶岩、火砕流堆積物、次々にこれらが現れる。森林限界を超えると、より一層火山の山 だと思い知らされる。溶岩の色は次第に黒くなってきて、傾斜はさらにきつくなる。そこにはクサリやハシゴが架けられていた。
目を上げると赤岳展望荘の小屋が視界に飛び込んできた。やった、着いたぞ。もうすぐ山頂だ。そう呟いた。この小屋から稜線上に進むと、すぐに次の小屋、赤岳頂上小屋についた。休まずに進むと赤岳の頂上だった。標高は2899m、惜しい1m足りないなぁ。 あいにく、視界は悪く阿弥陀岳も横岳も何も見えない。デジカメに4人の集合写真を撮り、次の中岳・阿弥陀岳を目指すこととした。頂上から、ほどなく文三郎尾根と中岳への分岐に来た。ここでリーダーが、天候の悪化を懸念し文三郎尾根を下ることを提案した。みな了承し、阿弥陀岳は次の機会まで楽しみに取って置くことにした。
文三郎尾根も地蔵尾根と同様に急傾斜で、ところどころクサリやハシゴが架けられていた。雨に濡れているため、慎重に下っていく。やがて森林限界まで下ってきた。ここまで下ると心なしかほっとする。傾斜も緩くなり、平坦なところで休憩とした。眼下に行者小屋が見える。白い煙を出していた。温泉ではないだろう。 中岳からの分岐と合流したところから、ほどなく道は沢沿いとなり、樹林帯の中に入っていった。そして、樹林帯を抜けると眼前に行者小屋が現れた。ここで、まだ9時過ぎだが、昼食タイムとした。雨は一段と強さを増してきた。 リーダーは雨具の上を脱ぎ、傘を取り出し、美濃戸口までの下りの道に入っていった。往きよりも還りの道のりが長く感じるのは何故だろう。還り道に飽き飽きしたころ、やっと美濃戸の山小屋群についた。ここで少し休憩を取る。 還りの道は美濃戸から、さらに続く、後続の大阪方面から来たらしい一団らと一緒になり林道を進んでいく。また、後ろから来た車に道をあけるため端に寄るということを繰り返し繰り返し進む。飽き飽きさを通り越して頭のなかは空っぽ状態なのか、黙々と歩を進めるが、もはや歩いているという感覚ではなく、ただ足を動かしているという感じであった。やっと着いた美濃戸口のバス停だ。タクシーが1台止まっていたので、リーダーが交渉しそれで駅まで帰ることとした。時間は、まだ正午をすぎたばかりであった。
☆コースタイム
2日 茅野駅(9:08~9:15)美濃戸(9:40~9:45)行者小屋(13:35)
3日 行者小屋(6:05)展望荘(7:10)赤岳(7:50~7:55)行者小屋(9:15~9:45)
美濃戸山荘(11:35~11:45)美濃戸口 (12:30~12:40)茅野駅(13:05)
☆タクシー 茅野駅→美濃戸口 1台 約 5,000円
大嵐山・会津駒ケ岳 |
平成16年10月16日(土)~17日(日)
メンバー:L 八木 高橋 清水(ふ) 三好 計4名
平成16年10月16日(土) 天気 曇り 大嵐山 ―八木 記―
天気予報では青い空が既に広がっているはずであるが、今の所、空一面は薄曇である。雲を透かして明るい光を地上に降り注いでいるので、雨の降られる心配はないようだ。ブナの黄葉の美しい小野岳に登る予定であったが、下山後、桧枝岐まで、車で移動するのは如何にも長すぎた。山から下りた後、ゆっくりと温泉に入りたいという誘惑もそそり、仲間と相談して桧枝岐に近い大嵐山に変更した。今年の五月に会山行で実施したばかりであるが、日を置かずして登ることに何のためらいもなかった。紅葉の美しい山であることに疑問の差し挟む余地がなかったからである。登山口を9時55分に出発した。暗い杉林の中を沢に沿いながら歩くと、登山道だけが勾配を上げて、沢を左から見下ろす高みの道になる。しばらく歩くと、登山道は沢と合わさってそこを渉り、沢に沿いながら尚も歩くと、又、沢に出合う。度々繰り返して前方へ足を運ぶと、あたり一面に青々としたシダが繁っていた。ここまで来ると清流は地下を潜ったのか、沢にはゴロゴロとした石だけが目立って歩きにくい道になるが、やがて登山道は左手の山の斜面に取り付く。黄葉したブナの繁る中をジクザクの急な登りが稜線まで続くが、稜線まで登り切ると飯豊連峰の白い峰々が木々の葉の間から覗かしており、ここで立ち止まってしばらく写真タイムである。すぐ目の前には赤く染まった木々の葉が見られ、何とか工夫しながら飯豊連峰と組み合わせようとするが今ひとつ入りきらない。諦めて大嵐 山へ向かって歩き進めるが、大きな岩に乗り上げるとその先に道がない。ふと思い出して五月に来たときも同じ事をしてしまった事に気づいた。岩の手前の右に巻く道を見逃してしまったのである。笹が登山道の両脇に繁茂しているのが見られると山頂は今少しである。稜線に向かう木々の間から会津駒ガ岳の白いものが目立つ山容に明日のことが思いやられて不安を募らせていたが、山頂から全容を現した姿に黒味が勝っていることに幾らか胸をなでおろした。下りは同じ道を忠実に引き返すだけである。
平成16年10月17日(日) 天気 晴れ 会津駒ガ岳
宿の車に乗って登山口の駐車場に着いたら、車の停めるスペースをほとんど埋め尽くしていた。登山者の波に呑み込まれるようにして、登山口を出発したのが5時55分である。山道に取り付く立派な階段を登ると、いきなり、山の斜面の急登が始まる。起き抜けの体にこたえる容赦のない登りであるが、一歩一歩、歩みを進めれば、確実に標高を稼いでいて、爽快でさえある。宿の人に聞くと、先週の三連休は天気が悪く、会津駒ガ岳に登る予定の登山者のキャンセルが相次いだそうである。鬱憤を晴らすように、今日、大勢の登山者が集中したのか、引切り無しに擦り抜けるようにして追い抜いていった。爪先立つ所には、両側の樹木の根が連なるように張り出して歩きにくいが、広々とした道が、気持ちを高揚させる。ジクザクの道はますます勾配をきつくしながら稜線へと続いていた。一片の雲のない青空が、樹間から覗かしているが、昇ったばかりの陽は山の背後に隠していた。時間を経るにしたがい、鬱々と茂る雑木林の中に朝の光が通い、木々の紅葉した葉を黄金色に染め上げて登山道の前方を明るく照らした。目の前に広がった秋色の光景に、思わず立ち止まって鈍い足取りになるが、気を取り直して、しばらくは、うっとりとしたまなざしを注ぎながら歩みを進めた。急な登りも、水場を過ぎてから次第になだらかになった。傾斜の緩い道が、樹林を左側から巻き込むようにして続き、その先は樹林の陰になって消えるが、それを何回となく繰り返して歩くと、やがて、三岩岳から会津駒ガ岳に連なる北側の稜線が見えた。上部に広がる草原を見て心浮き立つが、登山道もなく実際はヤブ道であるそうだ。先ほどから登山道の両脇に落ちている片々とした雪を気にしながら登っているが、やがて辺りが針葉樹林に変わると、一層、雪の広がりを大きくした。登山道が木道に変わると一気に展望が広がり、尾根の上部にある駒ノ小屋から会津駒ガ岳を一望のもとに眺めることができた。東の方向には、真っ青な空の下に、会津の山々の黒々とした山頂部を、淡い雲の間から覗かしていた。視線を近くに移すと、雪に包み隠された草紅葉の冷ややかな風景を眺められ、時おり肌を刺す風の冷たさは、どことなく冬の気配を含んでいた。駒ノ小屋に続く木道の上は、雪が融けたばかりで滑りやすく、感触を確かめながら慎重に歩いた。駒ノ小屋から会津駒ガ岳は20分ほどの道のりである。それにしても連なるように続く登山者の姿に、会津駒ガ岳の人気の高さが偲ばれる。遠くから眺めると、どこに山頂があるのかと戸惑うが、しかし、この山の魅力を知るには、長大に伸びる全域を歩かねばならない。既に小屋を閉ざした今の時期に至ってはやむをえないことであるが、ほとんどの登山者が桧枝岐からのピストンである。会津駒ガ岳の山頂は狭く、写真を撮ってすぐ中門岳へと向かった。草紅葉の広がる広大な湿原には二本の木道が並ぶように走っているが、所々に雪が融けることなく残っており、湿原に立ち入ってはならないということも承知であるが、やむなく足を踏み外して歩くこともしばしばであった。季節によっては、気持ちを恍惚とさせる、まさにこの世の楽園と呼ぶにふさわしい所であるが、雪が斑に残る湿原には、何の面白みもなく興趣に欠ける。義務のようにして中門岳へと向かったが、尾根道を渡る風の冷たさが身に沁みた。同じ道を引き 返して、会津駒ガ岳の山頂直下から、西側の巻き道を通って駒ノ小屋まで下りた。小屋の前のベンチで早い昼食を摂ってから大津岐峠に向かった。小屋の右側にある樹林を下り切ってから、尾根歩きが始まる。ヤセ尾根も垣間見せるが、長くは続かない。ハシゴを二つ登って小さなピークを登り下りする所もあるが、そこを過ぎると、後は長閑な尾根道である。右に樹林、左側は草原の斜面が足下
に落ちている展望の開けた所だ。遠くからでもそれとなく分かった大きな標識の手前は、池糖が点在するひときわ大きい湿原である。花の季節ともなれば、むせるように花の匂いが漂うよう所である。大津岐峠で大休止した後、足の揃った今日のメンバーには、これからの行程の行く末から温泉に入れる時間を充分に取れると推し量ったのか、下りの足取りは一段と軽やかになった。目をしばたたせる急な下りもなく、どこまでもゆるやかで足に優しい道が尾根の斜面に続いていた。山道の木立の上に、晩秋の陽射しが溢れるように照り渡ると、青空の中に見上げるブナの黄葉が目に染み入るようにつらぬき、モミジの真っ赤に染め上げた葉が、色めく木々の葉に数段と鮮やかに色取りを加えた。樹幹越しに尾瀬の燧ケ岳を大きく右に見ながら下って、頭上を覆うような高い木々が多くなると、ジクザクの道になる。色付いた木々の葉を眺めていつまでも興味が尽きないが、沢の音が静かに響き渡るとキリンテ登山口の間近さをいやがうえにも感じさせた。山道に幾らか急坂を帯びてくると、泡立つ沢の白い流れが目に入り、そこまで下りきれば、ほぼ山登りを終えたのも同然である。キリンテ登山口の着いたのが14時50分であった。温泉に入れることに色めきたったことは言うまでもないことである。
☆コースタイム
16日 登山口(9:55) 尾根出合(11:30) 大嵐山(12:05~12:40)
登山口(14:15)
17日 登山口(5:55) 水場(7:20~7:30) 駒ノ小屋(8:50~9:00) 会津駒ガ岳
(9:20~9:25) 中門岳(10:05~10:10)側道分岐(10:40) 駒ノ小屋
(10:55~11:25) 木津岐峠(12:40~12:55) キリンテ登山口(14:50)
☆交通費 (車両代)東所沢駅乗車 1人 6,800円
民宿 「こまどり」1人 7,500円
那須 姥が平 茶臼岳 |
平成16年10月 2 3日(土)日帰り 曇り、強風
メンバー:L 魚津 広瀬 小野 栗原 中村 国府田 堀内 片倉 東濱 梅沢 計10名
-魚津 記-
前日のTVは「那須高原は見頃」の紅葉情報を伝えていた。快晴の朝である。素晴らしい山行を期待して家を出た。宇都宮線の電車から日光~那須方向を見ると、山は白い雲に被われていたが、あまり気にはならなかった。
那須塩原駅でタクシー2台に乗車、山が近づくにつれて晴れから曇りに変わってきた。車のフロントガラスに小さな水滴が付き始めたら、沼っ原の駐車場到着である。多数の車が駐車して居り、歩いている人は寒そうである。防寒具を着用している人が多い。
軽い準備運動の後、沼っ原ダムを見て湿原に下った。湿原は草紅葉である。目に付いた花はアザミ一輪のみ、赤い実を一杯ぶら下げたマユミの木が多い。姥ガ平に向かって歩き始めた。葉を付けた木は少ない。台風2 3号の強風で落ちてしまったのであろう。点々と残った紅葉の木が少しはあるが、地面は色とりどりの葉のジュウタンである。ピークの手前で振り返ると、先程歩いた草紅葉の沼っ原湿原とダムが見える。
三斗小屋温泉との分岐を過ぎると、真っ正面に大きな茶臼岳が出迎えた。何時もより多い噴煙に包まれている。左側の隠居倉は雪を被っている。姥ガ平で昼食にした。隠居倉の方から吹いて来る強風で寒く、食べ終わると同時に牛ガ首への急登を始めた。
横からの強風を受けながら登り牛ガ首に上がった途端、立っているのも困難な位の猛烈な風である。茶臼岳の頂上迄は強風の中を約1時間登ることになる。強風でロープウェイが連行中止の場合、ロープウェイで下る予定の人は、強風の中を更に長時間の歩きが必要になる。そこで茶臼岳への登山を諦め下山することにした。風に飛ばされないように注意しながら無間地獄の脇を通り、峰の茶屋避難所に下った。避難所の中は、風を 避けながら休憩する人で一杯である。
風の通り道を、転ばないようるこ注意しながらゆっくりと下った。バスに乗り、間もなく出発、黒磯駅に向かった。「鹿の湯」に入る2人は途中下車した。懸念していた交通渋滞もなく、定時に黒磯駅に到着した。
タクシーの運転手が「沼っ原ダムの下の渓谷の紅葉が一番良い」と言っていたが、その通り、沼っ原湿原より上の紅葉は終わってしまっていた。猛烈な強風と寒気で茶臼岳への登頂も断念し、残念な山行になってしまった。 山行計画者として、参加者の皆さんには申し訳なかったと思います。
☆コースタイム
沼っ原駐車場(9:50 ~10:00)三斗小屋への分岐(11:55~12:00)姥ガ平
(l2:15~12:50 昼食)牛ガ首(13:15~13:20)峰の茶屋避難所(13:40~13:45)
ロープウェイ山麓駅バス乗り場(14:35~14:45バス発)
☆交通費
タクシー(那須合同タクシー)那須塩原駅→沼っ原 ¥8,100+¥8,020
バス ロープウェイ山麓駅→黒磯駅 ¥1,300
宇都宮 篠井富屋連峰 |
平成16年11月6日(土) 日帰り 晴れ
メンバー:L 魚津、小野、斉藤、栗原、片倉、吉田(博)、宇野、梅澤 計8名
― 魚 津 記 ―
宇都宮駅よりタクシー2台に分乗し、中篠井登山口に向かった。運転手は登山口は知らないと言う。この連峰は「宇都宮アルプス」と言われるらしいが、登る人が少ないのであろう。 登山口で簡単な準備体操をして出発した。杉林に入ると蒸し暑くなり、上着を脱いだ。榛名山は上州の榛名山と同様、沢山の岩石が重なって出来ている。 男山との分岐点にリュックを置いて榛名山に向かった。頂上は展望の良い場所であるが、日光等の遠くの山は雲に隠れている。ギザギザの古賀志山が見えた。
分岐点に戻ってリュックを背負い、男山に向かった。男山の次は本山である。本山で昼食にした。本山頂上は日光や那須連峰の見える所であるが、今日は雲の中である。
本山からの下り、飯盛山,高館山、黒戸山の上りと下りは急坂で滑りやすく、5年前に苦労した所である。5年前には無かったロープが何箇所かに設置されていて楽になっている。登山道には所々にノギクの仲間が咲いている。高館山の頂上には2株のオヤマリンドウに花が固まって咲いていて目を引いた。ツルリンドウとヤブコウジの赤い実が目立つ。
最後の兜山の頂上では季節はずれのヤマツツジの赤い花が我々を出迎えてくれた。
今回歩いた連峰は標高が500m前後と低い山であるが、七つの峰の間の上りと下りの標高差は結構大きい。1,000m位は登って下ったようで大変だった、と言うのが皆さんの感想であり、歩きには満足した1日であった。
宇都宮駅東口の「餃子のビーナスの像」を鑑賞してから近くの餃子屋に寄り、色々な餃子を味わって解散した。
☆コースタイム
中篠井登山口(10:17~10:22)榛名山(11:19~11:26)男山(11:40~11:47)本山(12:00~12:46 昼食)飯盛山(13:39~13:50)高館山(14:35~14:45)黒戸山(15:08~15:13)兜山(15:44~15:45)中徳次郎バス停(16:20~16:36 バス発)
☆交通費
タクシー 宇都宮駅→中篠井登山口 2台共 ¥ 5,460
バス 中徳次郎→宇都宮駅 ¥ 610
新人歓迎山行 乾徳山 |
平成16年11月21日(日) 晴れ
メンバー:大田(L) 栗原 高橋 八木 堀内 片倉 本多(正) 吉田(博) 清水(ふ)木代 白井 原田 三好 鈴木 計 14名
―大 田 記―
久し振りに天気の良い登山日よりとなった。塩山駅で全員集合し
納山会 大高山 天覚山 |
平成16年12月12日(日) 曇り
メンバー:L高橋、栗原、大田、堀内、斉藤、小林、本多、白石、梅澤、白井 計10名
- 白井 記 -
今年は12月に入っても暖かな日が続いていたが、この日はどんよりと曇り肌寒い。吾野駅を出て駅の裏手から登り始める。暫く行くとやや急な登りがあるが、後は檜林の中を緩やかな坂道が続く。一時間足らずで「前坂」と呼ばれる分岐に。ここで、左が大高山、直進が竹寺、右が子の権現へと分かれる。ここから檜と杉の針葉樹林の尾根を進んでいく。小ピークをいくつか超えると30分程で大高山山頂(493m)。三角点は無く、小さな標識が立ち木に打ち付けてあった。樹木に遮られて展望は無い。正午には一時間ほど早いが、午後下山後に飯能市内での忘年会を控えているので、小腹を満たす程度に昼食を摂る。天覚山へはそのまま
尾根伝いに、何度もアップダウンを繰り返しながら進む。それ程高低差が有るわけではないが、数が多いので結構膝に来た。「宴会前の腹ごなし程度。」と高をくくっていたので、ストックを持たずに来た事を後悔する。暗い針葉樹林帯を進んでいくと、突然明るい紅葉が目の前に広がる。12月のこの時期に予想だにしなかった真っ盛りの紅葉。暫しの撮影タイムで、下から空一面に広がる紅葉に見とれ、シャッターを切る。(黄緑から黄色、真紅に至るグラデーションの妙は栗原・高橋両カメラマンのHP掲載写真のとおり)駅を出てから天覚山までの間、誰にも会わず我々だけの静かな山歩き。ようやく天覚山の頂上で3名のパーティーに出会う。ここは大高山より低いが(455m)三角点も記念撮影用の(?)標識も有る。南面が開け
ており、比較的展望が良い。曇天にも拘わらず、名栗渓谷を挟んだ向こう側に奥多摩の幾重にも重なる山並みが見渡せた。山頂直下に2本の黄色く色付いた銀杏と整地された小さな広場がある。神社の跡地だ。一段高い処に標柱があり「両峰神社跡平成12年5月」と書かれていた。背後に大きな岩があり、手水鉢も残されている。以前は、修験の山で多くの人が登って来たのかも知れない。ここから、途中まで尾根伝いに下る。数年前に皆伐されたばかりと思われる足場の良くない北東斜面を膝をかばいながらジグを切って下りると程なく林道に出て東吾野駅に到着。500mに達しない低山で合計4時間の行程だが、踏んだ(捲いた所も?)ピ
ークは合計20。素晴らしい紅葉を独り占めと思いがけず充実した年の瀬の山歩きとなった。
その後、飯能名栗川沿いの料亭「清河園・蜻蛉亭」へ場所を移して忘年会。広瀬、宇野、佐藤さんが合流し、総勢13名で目にも美しく美味なる会席料理を味わい、それぞれ今年の反省と来年の抱負で締めくくった。天候不順による山行中止が多く、参加回数が振るわなかった原因であったと参加者は総括。皆平成17年の前年比大幅増を誓い、帰路についた。
☆コースタイム
吾野駅発9:30→前坂10:30→大高山着10:50(昼食)11:20発→天覚山着12:40
(休憩)13:00発→東吾野駅着13:45
☆交通費
池袋―吾野 580円
東吾野―飯能 200円
飯能―池袋 450円