山 旅
会報 No.165
好山好山旅会
H.19.11
好山好山旅会
H.19.11
平成19年12月例会山行計画
第一例会 12月 2日(日) 大菩薩 源次郎岳~恩若ノ峰 担当者 原田
第二例会 12月 8日(土) 忘年山行 大菩薩 大菩薩嶺 担当者 大田
《 東北 栗駒山・虎毛山 》
10月6日(土) 天気 晴れ
参加者 八木(L) 中村 中出 白井 三好 鈴木 竹中 池田 計8名
栗駒山
-八木 記-
栗駒山は平成10年7月の会山行で登っており、天気が悪かったので、かねてから もう一度訪ねたいと思っていた。
青空に映し出した見事な紅葉、今回はさしずめ存念を晴らした格好だ。
登山口は須川温泉、ここも前回と同じ。
一ノ関駅から車で向 かえば一直線の分かりやすい道であり、下山時に宿泊先に向かうのにも都合が良い。
帰りぎわに裸足を浸そうと思った白濁の温泉の流れる足湯を右側に見て須川温泉の建物の裏手から山に入った。
大岩を点景にして黄色、赤色に色づいた潅木の茂みの中を歩く。
登山道の前方は数珠つなぎになって多くの登山者が押し寄せ、視線を上に向ければさっそく錦秋のたおやかな栗駒山が望まれた。
美しいエメラルドグリ ーンの昭和湖のふちでひと息を入れ、その後階段状の道を歩いて、普通の山道に変われば栗駒山の肩のような場所に出る。
秣岳の分岐にもなり、ここから尾根の一本道を歩いて40分も歩けば山頂である。
吹きさらしになっている丸い山頂から冷 い風を避けるのに潅木の陰で身をちぢめるしか手立てがなく、そのような場所では たくさんの登山者がたむろして蟻さえ入り込む余地がないほどだった。
山頂での昼食を諦めて下山と決し、自然観察路に伸びる鮮やかな紅葉にしみじみと見とれているうちに空き腹も忘れて産沼まで下った。
産沼を通る登山道の隅で他の登山者の邪魔にならないように小さくなって昼食を済まし、ここから1時間ほど歩けば喧噪の須川温泉に到着である。
☆ コースタイム
須川温泉 10:40 秣岳分岐 12:15~12:20 栗駒山 12:40~12:45 産沼 13:25~13:45 須川温泉 14:50
10月7日(日) 天気 曇り
虎毛山
-池田 記-
天気予報によると三日目は雨の予報との事、予定を変更し虎毛山に登る事になりました。
宿の朝食を頂きゆっくりの出発です。林道の奥まで車で入りました。
既に10台分のスペースがある駐車場は満車状態です。
なんとか山道に停め出発です。 朝には快晴だった空に雲がどんどん湧き出てきて気が焦ります。
ゲートを抜け赤沢 渡渉点登山口までは、沢に沿って緩やかな道が続きぬかるんでいて歩きにくいので すが、道の両脇には咲き終った花殻や葉が多く見受けられ花の多さがうかがえます。
赤沢渡渉点からいよいよ登りが始まります。
登山道は、アスナロ、ヒノキ、クロベ、 ブナなどの自然林で覆われ深山の雰囲気をかもし出している。
稜線に出るまで、きつい登りが続きますが要所にはベンチがあり、休憩するにはち ょうど良く登山道では、木の実を拾い花の少ないこの季節にマイヅルソウ、ユキザ サ、ツルリンドウの赤い実が目を引き、ムラサキシキブ、オオカメノキ、ナナカマ ド、ツリバナなどの実も彩りを添え目を楽しませてくれました。
ヒノキからブナ林に変わるとやがて高松山への分岐1234のピークに出ます。休憩をとり尾根道を少し歩くと眺望が開け虎毛山の山容が眺められ山頂付近が、赤く色づいているのが見えます。
山頂はもうすぐ最後の登りです。登るにつれ周りの木々の色づきが増してきます。
ドウダンツツジ、ナナカマドの赤、カエデやミズナ ラの黄が鮮やかに山を染めあげています。尾根から見上げた時の山頂付近のあの紅葉した中を、今歩いていると思うと胸が高まり、秋色が体に染みてくるようです。
目の前にポツンと小屋がみえると間もなく山頂に着きます。
遠くになだらかな山容の鳥海山が見えました。
山頂に着くと風強くその上寒い。ガスが沸いては消え雲上のオアシスも寂しげです。
湿原には、わずかに咲き残りのリ ンドウやチングルマが見られました。
晴れていれば黄金色に草紅葉する湿原も青く輝く池糖も今は色あせて見えます。
また天気好ければ寝転ろんで雲の行方を眺めてみたい等と楽しみにしていたのに残念です。
記念撮影をして避難小屋で昼食を取ることにしました。
すでに10名位の登山者が休憩しており中は比較的広くシュラフや毛布が数枚と出入り口には、お使い下さいと書いたガスボンベもありトイレ完備の綺麗な小屋で した。
山頂に一時間ほどいましたが、相変わらずあまり視界が良くありません。
小屋の外壁に大きく“山に親しみ、山を愛し、山を楽しもう”と書かれた言葉に かさを感じ気持ちよく下山を開始。
分岐まで来ると空には晴れ間が見え虎毛山の山 頂の紅葉がひときわ輝いて見えました。
下山するにつれ天候が回復してくるようで すが明日は本当に雨かしら、なんだか期待が持てそうに思えました。
☆ コースタイム
登山口 7:50 赤倉沢渡渉点 8:30~8:35 ヒノキ頭 9:05~9:10 ブナ林の標識 9:40~9:50 尾根出合10:10~10:15 虎毛山 11:05~12:00 ブナ林の標識 13:05 ヒノキ頭 13:30~13:45 赤倉沢渡渉点 14:05 登山口 14:50
☆ 費 用
宿泊費 一人(ビール代含む) 約 12、000円(二日分) レンタカー代 一人 約 5000円(ガソリン代、運転代含む)
《 陣馬 奈良倉山 》
10月13日(土) 曇り
参加者 吉田(博)[L]、小川、高橋、本多(正)、成田 計5名
-吉田(博)記-
当初の計画では奈良倉山から権現山までつなぐ予定であったが、西原峠から先一 部登山道が荒れている事と、長時間になるため2 回に分けることにした。
上野原駅発松姫峠行きバス車内で顔を合わせる。手術後復帰の本多さんもお元気そうでなによりだ。
バスはまだ色づかない木々の合間を縫って1 時間ほどで鶴峠に到着。
奈良倉山頂までは植林の道で、先日の風雨で折れた木や落ち葉で荒れている。
山頂近くに富士山展望台があるが、生憎雲で覆われて残念なことである。
奈良倉山から一旦トイレ設備も整った松姫峠の車道に下り、ゆるやかに鶴寝山に 登っていく。ここでのんびり昼食。
今日は時折吹く風が青空を覗かせる時もあると いう曇り空で、じっとしていると肌寒くなってくる。 鶴寝山からは自然林の広い道をゆるく下っていき、大マテイ山をまいて大菩薩の牛ノ寝通りの末端と大ダワで合流する。
モロクボ平へは道幅の狭い外傾斜のトラバ ースが続く。靴の中で指先をギュッとしめて地面をつかむようにしていないと体重がきちんと乗らなくて流されてしまう。
登山者は昼食時に通過していった一人ときのこ採りの数人のみ。
モロクボ平からはすべりやすく薄暗い植林の中をジグザグに川久保の集落に下 り、道なりに行くと村役場近くのバス停に着く。
今日のコースの感想として、きつい登りもなく歩きやすかったというが、またこういう計画を入れてみようと思う。
15:40 分の奥多摩行きのバスを待っていたのに、思いがけなく上野原行きが先に 来たのでこれに乗る。計画した時、小菅から先は奥多摩行きしかないと思っていた。
最後、上野原駅でもあまり待たずに臨時のホリデー快速に乗ることができたという ラッキーな1 日であった。
☆ コースタイム
JR中央線上野原駅8:28(バス65 分) 鶴峠バス停 9:33/40 奈良倉山 11:10/11:15 松姫峠11:50/11:55 鶴寝山12:20/12:45 大ダワ13:40/13:50 モロクボ平14:30/14:40 川久保バス停 15:20/15:30(バ ス70 分) 上野原駅16:40
☆ 費用
JR 新宿~上野原 片道950 円 バス 上野原~鶴峠 1000 円 川久保~上野原 1230 円
《 大菩薩 小金沢連嶺 》
10月21日(日) 晴れ
参加者 清水(ふ)〔L〕、大田、斉藤、高橋、片倉、吉田(博)、白井、吉田(美) 土方、竹中 計 10名
-清水(ふ)記-
福ちゃん荘のホームページを眺めていたら、塩山から大菩薩の県道が、9月に本土を直撃した台風9号のために、道が崩落して、復旧のめどが立っていないということを知り、タクシー会社に連絡してみると、甲斐大和からなら、福ちゃん荘へ入れるということで、4日前ぐらいに集合場所を、塩山から甲斐大和に移し、 この山行を実施することになった。
東京近郊の人なら特に問題なく、高尾7時03 分の甲府行きに乗れるわけだが、さらに遠い地区からだと間に合わないというわけ で、特急でのアプローチが可能なように設定を考えていたが、今日に限って遠い方は行けなくなってしまったので、申し訳ないと思った。許されよ。 そう云う訳で、甲斐大和に10名が集合し、タクシーにちょっときつめに5名づつ 乗り込み、福ちゃん荘に向かう。
ここから介山荘が立つ大菩薩峠に向かう道は、登山道というより林道に近い幅広い道で、これが峠までつづいている。
50分あまりで、介山荘が見えてきて、小屋と小屋の間を抜けると、青空の下、南アルプスと甲府の町、そして初雪が粉砂糖のように山頂を覆っている富士山が、目の前に飛び込んできた。
暫く眺めを堪能してから、熊沢山を巻く道に歩みを 進める。ここは、明るく開けた峠とは対照的に暗い針葉樹林の道だ。
下りになると再び笹原が、広がり、展望が大きく開ける清々しい高原のような場所に出る。
ここが、石丸峠だ。この景色とこの一帯の雰囲気は、何度来てもいいなあ と改めて感じてしまう。
牛の寝通り左に見て、下がっていくと、平成11年の山行 のときに昼食をとった狼平にでた。お昼にはまだ早いので、今回は、次の小金沢山まで行ってお昼をとる事にして、さらに歩みを進める。
笹薮が全面に覆っていて足場が見えないところや、大きな木が倒れていて、回り道 をしないと前に進めないところや、木を跨いだり、くぐったりして、まるで障害物 競走のような道を、迷わないように、踏み跡を確かめつつ登って行くと、人の声が 近づいて来て、紅葉まっ盛りの小金沢山のピークに着いた。
鮮やかな紅葉のさらなる上に富士の姿が見えて素晴らしい景色だ。
ここで、記念撮影をして、昼食のために30分間ぐらい休憩をとった。
笹薮があり、ふみ跡が交錯している尾根を赤いテープを頼りに尾根から下がらないように歩いていくと、やがて南側の展望が開け秀麗富岳12景の牛奥ノ雁ヶ腹摺山に着いた。
少し雲が出てきたものの、富士のピークは、はっきりと姿を見せてくれて、 その美しい姿に、しばし目を奪われる。
川胡桃沢ノ頭を過ぎ、黒岳に向かうが、秋の日差しは午後になると、夕暮れを思わ せる雰囲気を漂わせて、さらに遠くで鳴く鹿の声が、なぜかもの悲しさを感じさせる。
黒岳のピークは、特に展望も無くさらに綺麗なブナの林を通り過ぎると、今度は白砂の道となり白谷丸という明るい場所に出た。
台風の影響もあるのか、かなり道が崩れていて、道に亀裂が入ってるところもあるざれた道を降って行くと湯ノ沢峠に出た。
ここから、30分で、タクシーを頼んでお いた湯ノ沢峠登山口に着くわけだが、ここからの道が、沢沿いの道なのだが、ところどころ水が出ていて、ぬかるんでいるところもあり、橋も崩れているところもあり、意外と大変な悪路だったのにはびっくりした。
タクシー代が高くなっても、湯ノ沢峠から、タクシーに乗った方がよかったかもと 思ったが、歩き出した後には戻るわけにも行かず、どうにか皆、慎重に下ってゆき、広い林道に出たときには、安堵と共に充実した山旅が出来たことの喜びを強く感じ た。
☆ コースタイム
福ちゃん荘 9:03 介山荘 9:50~9:55 石丸峠 10:24 狼平 10:52 小金沢山 11:45~12:15 牛奥ノ雁ヶ腹摺山 12:58~13:15 川胡桃沢ノ頭13:53~13:59 黒岳 14:30 湯ノ沢峠15:30~15:35 湯ノ沢峠登山口 16:15
☆ 費用
タクシー代 甲斐大和駅 ~福ちゃん荘 6820円×2台 湯ノ沢峠登山口~甲斐大和駅 3540円×2台 一人分のタクシー代 2100円 電車代 甲斐大和~新宿 往復 3780円
山 行 ラ ン ク 基 準 要 領 好 山 好 山 旅 会
山行計画書に下記の要領でランクを表示することとします。
区分の判断は担当 リーダーが山行内容を検討して決めます。下記要領は一応の目安であって、全ての項目が該当しなくても、より近いものに決定すれば良いと考えます。
皆さんも参加を申し込まれるときは、ガイドブックや地図を読んで自分なりの判断 をされるよう期待します。
そして山行後、皆さんの意見を聞かせて戴き、より良いランク基準にしたいと考えます。
平成19年度第2回 役員会 議事録
日 時 平成19年10月20日(土)午前9時~12時
場 所 豊島区勤労福祉会館
出席者 高柳、広瀬、大田、高橋、八木、片倉、本多(正)、清水(裕)、吉田(博)、 清水(ふ) 1.会務担当者変更等 ・募集係 広瀬→本多(正) 本多(正)さんが病気療養中であったた め、広瀬さんが代行していたが、本多(正)さんが健康を回復したので 本多さんが復帰。
2.20年度例会計画作成 ・20年2月以降8月まで及び9月と10月の一つの例会計画を作成
3.その他
1)退会者 ・永年リーダーとして活躍されていた矢澤道子さんが10月をもって退会 されることになった。
2)新人歓迎山行 ・8月24日(日)の綾滝~大滝(奥多摩)(高橋リーダー)とする。
・尚、新人歓迎山行実施のために購入した食材等については会予算から支出することとする。
健 脚 向 きや や 健 脚 向 き一 般 向 き
予想 される ・1日の行動時間 ・9時間以上 ・7時間から9時間まで ・7時間以内
歩行速度 ・ガイドブック通り 休憩
一日の標高差 ・1,200m以上 ・1,000~1,200m ・1,000m以下 岩 場 の 通 過 ・鎖、梯子が多く、高度感が ◇ある .
・参加者の人選もありうる ・鎖、梯子が多い一般道 ・ときには鎖、梯子がある
一 ◇般道 雪 山 ・標高1,500m以上の山でゆ ◇とりある計画 ザ イ ル ・基本的に40~50分歩いて5~10分の休憩をとる 出 発 ・原則は朝立ちとし、夜行は避ける ・夜行の場合もある ・ガイドブックよりやや遅め 宿 泊 ・標高1,500m以下の山を 「やや健脚向き」 以下で計画 ◇する ・補助ザイルでのザックの上げ下ろしは可、人身確保は不可 ・原則として食事付きの山小屋、民宿等を利用 ・無人小屋での自炊もある
3)山行計画書の送付について ・リーダーは山行計画書を山行実施の2ヶ月前までに、庶務担当の梅澤さ んとホームページの運営管理者の高橋さんに送るよう厳守すること。
4)役員補助手当ての新設及び一部改定 ・新設 募集係 2,000 円 ・改定 会計係 5,000 円→8,000 円 ・改定 会報作成係 10,000 円→7,000 円
5)会規約等の一部改訂 ・「リーダーの心得及び役員への補助手当て」の見直し、リーダーの心得と 役員の補助手当てを分離し「リーダーの心得」のみとし役員の補助手当ては「規約」の中に組み入れる。
・「山行ランク基準要領」 一般向きの1日の標高差は設定していなかったが、今後1,000 メー トル以下とする。
6)次回役員会 ・5月10日(土)9時~12時 予約できない場合は11日(日)の 同時刻
平成2 0 年度会費振込のお知らせ
好山好山旅会 今年の山行も大過なく終わることができそうです。これも偏に皆さまの安全登山への努力の賜物と感謝しております。
来年も各人の体力に合った魅力ある山行を計画する所存です。
さて、出費の多い時節ですが、下記のとおり平成20 年度会費の振込をお願いいたします。 記
年額 6,500円(会費5,000 円+スポーツ安全保険1,500 円) 家族会員は4,000 円(会費2,500 円+スポーツ安全保険1,500 円) 但し、平成20 年4 月1 日~平成21 年3 月31 日迄
納入期限 平成20 年2 月末日まで
払込方法 郵便振込み(振込用紙は郵便局で入手願います)
加入者 好山好山旅会 口座番号 00130-5-70267
■退会を希望される方はハガキ、FAX、メール等で退会届を会長宛てに提出してく ださい。
※ お知らせ
1)下記の山行は、天気不良のため中止になりました。
・【軽井沢 白糸の滝・小浅間】 10月第4例会
2)♪♪ 新しいお仲間が入会されました。宜しくお願いします。♪♪ ・浜田寿恵子さん 〒631-0823 奈良県奈良市西大寺国見町1-1-507 Tel 0742-47-7565
3)好山好山旅会の発展にご尽力され、また長い間に渡ってリーダーを務めて下さ った矢澤道子さんが退会されました。矢澤さんから届いた退会通知の文面に 「沢山の楽しい思い出をありがとうございました。皆さまによろしくお伝え下さ い」とありました。こちらこそいろいろお世話になりました。この声がもう届 くことはないですが、いろいろな山の思い出を作って下さり、ありがとうござ いました。
4)受贈会報「木鶏」2007年11月号
【Wakurouの山名考】 大菩薩の山域に「牛の寝」という不思議な名前がある。山に関する名前の由来につ いて考えてみた。 はじめに「寝」について。「牛の寝」とは牛が寝ている様子から ついたのだろうか。そうではないと思う。牛の寝の尾根の続きに「鶴寝山」がある。 登りも下りもツルツル滑る登山道。ツルンと滑る尾根、「ツルンオネ」が「ツルネ」 と訛ったのだと思う。「寝」は「オネ」に違いない。その「尾根」について。地面 が褶曲している様子をウネっていると言う。波が強く高い時をウネりが大きいと言 う。これから思うに「ウネ」が「オネ」に訛ったのだと言えないか。あるいは大き くウネっているから「オオウネ」→「オネ」かもしれない。 次は「峰」。幼児用語に「オツム」というのがある。「オツムが変」というと頭がお かしいという意味で使うが、「オツム」は頭、つまりてっぺんを指すのだろう。 手の甲の皮をツマむとヤマができる。「オツム」の「オ」は接頭語であろう。ツマ んでできた高い所が「ツム」と解釈できる。 オネの「オツム」つまり尾根のてっぺんは「オツムウネ」。「オツムウネ」が「ツム ネ」さらに「ミネ」に訛ったとするのは荒唐無稽だろうか。ちなみに頭髪の渦はツ ムジ(ツム+ウズ)。吾妻山という名の山が各地にある。この「妻」も「オツム」 から来ている。「オ」は接頭語であるから「妻」は「ツム」であろう。 次号に続く
第一例会 12月 2日(日) 大菩薩 源次郎岳~恩若ノ峰 担当者 原田
第二例会 12月 8日(土) 忘年山行 大菩薩 大菩薩嶺 担当者 大田
《 東北 栗駒山・虎毛山 》
10月6日(土) 天気 晴れ
参加者 八木(L) 中村 中出 白井 三好 鈴木 竹中 池田 計8名
栗駒山
-八木 記-
栗駒山は平成10年7月の会山行で登っており、天気が悪かったので、かねてから もう一度訪ねたいと思っていた。
青空に映し出した見事な紅葉、今回はさしずめ存念を晴らした格好だ。
登山口は須川温泉、ここも前回と同じ。
一ノ関駅から車で向 かえば一直線の分かりやすい道であり、下山時に宿泊先に向かうのにも都合が良い。
帰りぎわに裸足を浸そうと思った白濁の温泉の流れる足湯を右側に見て須川温泉の建物の裏手から山に入った。
大岩を点景にして黄色、赤色に色づいた潅木の茂みの中を歩く。
登山道の前方は数珠つなぎになって多くの登山者が押し寄せ、視線を上に向ければさっそく錦秋のたおやかな栗駒山が望まれた。
美しいエメラルドグリ ーンの昭和湖のふちでひと息を入れ、その後階段状の道を歩いて、普通の山道に変われば栗駒山の肩のような場所に出る。
秣岳の分岐にもなり、ここから尾根の一本道を歩いて40分も歩けば山頂である。
吹きさらしになっている丸い山頂から冷 い風を避けるのに潅木の陰で身をちぢめるしか手立てがなく、そのような場所では たくさんの登山者がたむろして蟻さえ入り込む余地がないほどだった。
山頂での昼食を諦めて下山と決し、自然観察路に伸びる鮮やかな紅葉にしみじみと見とれているうちに空き腹も忘れて産沼まで下った。
産沼を通る登山道の隅で他の登山者の邪魔にならないように小さくなって昼食を済まし、ここから1時間ほど歩けば喧噪の須川温泉に到着である。
☆ コースタイム
須川温泉 10:40 秣岳分岐 12:15~12:20 栗駒山 12:40~12:45 産沼 13:25~13:45 須川温泉 14:50
10月7日(日) 天気 曇り
虎毛山
-池田 記-
天気予報によると三日目は雨の予報との事、予定を変更し虎毛山に登る事になりました。
宿の朝食を頂きゆっくりの出発です。林道の奥まで車で入りました。
既に10台分のスペースがある駐車場は満車状態です。
なんとか山道に停め出発です。 朝には快晴だった空に雲がどんどん湧き出てきて気が焦ります。
ゲートを抜け赤沢 渡渉点登山口までは、沢に沿って緩やかな道が続きぬかるんでいて歩きにくいので すが、道の両脇には咲き終った花殻や葉が多く見受けられ花の多さがうかがえます。
赤沢渡渉点からいよいよ登りが始まります。
登山道は、アスナロ、ヒノキ、クロベ、 ブナなどの自然林で覆われ深山の雰囲気をかもし出している。
稜線に出るまで、きつい登りが続きますが要所にはベンチがあり、休憩するにはち ょうど良く登山道では、木の実を拾い花の少ないこの季節にマイヅルソウ、ユキザ サ、ツルリンドウの赤い実が目を引き、ムラサキシキブ、オオカメノキ、ナナカマ ド、ツリバナなどの実も彩りを添え目を楽しませてくれました。
ヒノキからブナ林に変わるとやがて高松山への分岐1234のピークに出ます。休憩をとり尾根道を少し歩くと眺望が開け虎毛山の山容が眺められ山頂付近が、赤く色づいているのが見えます。
山頂はもうすぐ最後の登りです。登るにつれ周りの木々の色づきが増してきます。
ドウダンツツジ、ナナカマドの赤、カエデやミズナ ラの黄が鮮やかに山を染めあげています。尾根から見上げた時の山頂付近のあの紅葉した中を、今歩いていると思うと胸が高まり、秋色が体に染みてくるようです。
目の前にポツンと小屋がみえると間もなく山頂に着きます。
遠くになだらかな山容の鳥海山が見えました。
山頂に着くと風強くその上寒い。ガスが沸いては消え雲上のオアシスも寂しげです。
湿原には、わずかに咲き残りのリ ンドウやチングルマが見られました。
晴れていれば黄金色に草紅葉する湿原も青く輝く池糖も今は色あせて見えます。
また天気好ければ寝転ろんで雲の行方を眺めてみたい等と楽しみにしていたのに残念です。
記念撮影をして避難小屋で昼食を取ることにしました。
すでに10名位の登山者が休憩しており中は比較的広くシュラフや毛布が数枚と出入り口には、お使い下さいと書いたガスボンベもありトイレ完備の綺麗な小屋で した。
山頂に一時間ほどいましたが、相変わらずあまり視界が良くありません。
小屋の外壁に大きく“山に親しみ、山を愛し、山を楽しもう”と書かれた言葉に かさを感じ気持ちよく下山を開始。
分岐まで来ると空には晴れ間が見え虎毛山の山 頂の紅葉がひときわ輝いて見えました。
下山するにつれ天候が回復してくるようで すが明日は本当に雨かしら、なんだか期待が持てそうに思えました。
☆ コースタイム
登山口 7:50 赤倉沢渡渉点 8:30~8:35 ヒノキ頭 9:05~9:10 ブナ林の標識 9:40~9:50 尾根出合10:10~10:15 虎毛山 11:05~12:00 ブナ林の標識 13:05 ヒノキ頭 13:30~13:45 赤倉沢渡渉点 14:05 登山口 14:50
☆ 費 用
宿泊費 一人(ビール代含む) 約 12、000円(二日分) レンタカー代 一人 約 5000円(ガソリン代、運転代含む)
《 陣馬 奈良倉山 》
10月13日(土) 曇り
参加者 吉田(博)[L]、小川、高橋、本多(正)、成田 計5名
-吉田(博)記-
当初の計画では奈良倉山から権現山までつなぐ予定であったが、西原峠から先一 部登山道が荒れている事と、長時間になるため2 回に分けることにした。
上野原駅発松姫峠行きバス車内で顔を合わせる。手術後復帰の本多さんもお元気そうでなによりだ。
バスはまだ色づかない木々の合間を縫って1 時間ほどで鶴峠に到着。
奈良倉山頂までは植林の道で、先日の風雨で折れた木や落ち葉で荒れている。
山頂近くに富士山展望台があるが、生憎雲で覆われて残念なことである。
奈良倉山から一旦トイレ設備も整った松姫峠の車道に下り、ゆるやかに鶴寝山に 登っていく。ここでのんびり昼食。
今日は時折吹く風が青空を覗かせる時もあると いう曇り空で、じっとしていると肌寒くなってくる。 鶴寝山からは自然林の広い道をゆるく下っていき、大マテイ山をまいて大菩薩の牛ノ寝通りの末端と大ダワで合流する。
モロクボ平へは道幅の狭い外傾斜のトラバ ースが続く。靴の中で指先をギュッとしめて地面をつかむようにしていないと体重がきちんと乗らなくて流されてしまう。
登山者は昼食時に通過していった一人ときのこ採りの数人のみ。
モロクボ平からはすべりやすく薄暗い植林の中をジグザグに川久保の集落に下 り、道なりに行くと村役場近くのバス停に着く。
今日のコースの感想として、きつい登りもなく歩きやすかったというが、またこういう計画を入れてみようと思う。
15:40 分の奥多摩行きのバスを待っていたのに、思いがけなく上野原行きが先に 来たのでこれに乗る。計画した時、小菅から先は奥多摩行きしかないと思っていた。
最後、上野原駅でもあまり待たずに臨時のホリデー快速に乗ることができたという ラッキーな1 日であった。
☆ コースタイム
JR中央線上野原駅8:28(バス65 分) 鶴峠バス停 9:33/40 奈良倉山 11:10/11:15 松姫峠11:50/11:55 鶴寝山12:20/12:45 大ダワ13:40/13:50 モロクボ平14:30/14:40 川久保バス停 15:20/15:30(バ ス70 分) 上野原駅16:40
☆ 費用
JR 新宿~上野原 片道950 円 バス 上野原~鶴峠 1000 円 川久保~上野原 1230 円
《 大菩薩 小金沢連嶺 》
10月21日(日) 晴れ
参加者 清水(ふ)〔L〕、大田、斉藤、高橋、片倉、吉田(博)、白井、吉田(美) 土方、竹中 計 10名
-清水(ふ)記-
福ちゃん荘のホームページを眺めていたら、塩山から大菩薩の県道が、9月に本土を直撃した台風9号のために、道が崩落して、復旧のめどが立っていないということを知り、タクシー会社に連絡してみると、甲斐大和からなら、福ちゃん荘へ入れるということで、4日前ぐらいに集合場所を、塩山から甲斐大和に移し、 この山行を実施することになった。
東京近郊の人なら特に問題なく、高尾7時03 分の甲府行きに乗れるわけだが、さらに遠い地区からだと間に合わないというわけ で、特急でのアプローチが可能なように設定を考えていたが、今日に限って遠い方は行けなくなってしまったので、申し訳ないと思った。許されよ。 そう云う訳で、甲斐大和に10名が集合し、タクシーにちょっときつめに5名づつ 乗り込み、福ちゃん荘に向かう。
ここから介山荘が立つ大菩薩峠に向かう道は、登山道というより林道に近い幅広い道で、これが峠までつづいている。
50分あまりで、介山荘が見えてきて、小屋と小屋の間を抜けると、青空の下、南アルプスと甲府の町、そして初雪が粉砂糖のように山頂を覆っている富士山が、目の前に飛び込んできた。
暫く眺めを堪能してから、熊沢山を巻く道に歩みを 進める。ここは、明るく開けた峠とは対照的に暗い針葉樹林の道だ。
下りになると再び笹原が、広がり、展望が大きく開ける清々しい高原のような場所に出る。
ここが、石丸峠だ。この景色とこの一帯の雰囲気は、何度来てもいいなあ と改めて感じてしまう。
牛の寝通り左に見て、下がっていくと、平成11年の山行 のときに昼食をとった狼平にでた。お昼にはまだ早いので、今回は、次の小金沢山まで行ってお昼をとる事にして、さらに歩みを進める。
笹薮が全面に覆っていて足場が見えないところや、大きな木が倒れていて、回り道 をしないと前に進めないところや、木を跨いだり、くぐったりして、まるで障害物 競走のような道を、迷わないように、踏み跡を確かめつつ登って行くと、人の声が 近づいて来て、紅葉まっ盛りの小金沢山のピークに着いた。
鮮やかな紅葉のさらなる上に富士の姿が見えて素晴らしい景色だ。
ここで、記念撮影をして、昼食のために30分間ぐらい休憩をとった。
笹薮があり、ふみ跡が交錯している尾根を赤いテープを頼りに尾根から下がらないように歩いていくと、やがて南側の展望が開け秀麗富岳12景の牛奥ノ雁ヶ腹摺山に着いた。
少し雲が出てきたものの、富士のピークは、はっきりと姿を見せてくれて、 その美しい姿に、しばし目を奪われる。
川胡桃沢ノ頭を過ぎ、黒岳に向かうが、秋の日差しは午後になると、夕暮れを思わ せる雰囲気を漂わせて、さらに遠くで鳴く鹿の声が、なぜかもの悲しさを感じさせる。
黒岳のピークは、特に展望も無くさらに綺麗なブナの林を通り過ぎると、今度は白砂の道となり白谷丸という明るい場所に出た。
台風の影響もあるのか、かなり道が崩れていて、道に亀裂が入ってるところもあるざれた道を降って行くと湯ノ沢峠に出た。
ここから、30分で、タクシーを頼んでお いた湯ノ沢峠登山口に着くわけだが、ここからの道が、沢沿いの道なのだが、ところどころ水が出ていて、ぬかるんでいるところもあり、橋も崩れているところもあり、意外と大変な悪路だったのにはびっくりした。
タクシー代が高くなっても、湯ノ沢峠から、タクシーに乗った方がよかったかもと 思ったが、歩き出した後には戻るわけにも行かず、どうにか皆、慎重に下ってゆき、広い林道に出たときには、安堵と共に充実した山旅が出来たことの喜びを強く感じ た。
☆ コースタイム
福ちゃん荘 9:03 介山荘 9:50~9:55 石丸峠 10:24 狼平 10:52 小金沢山 11:45~12:15 牛奥ノ雁ヶ腹摺山 12:58~13:15 川胡桃沢ノ頭13:53~13:59 黒岳 14:30 湯ノ沢峠15:30~15:35 湯ノ沢峠登山口 16:15
☆ 費用
タクシー代 甲斐大和駅 ~福ちゃん荘 6820円×2台 湯ノ沢峠登山口~甲斐大和駅 3540円×2台 一人分のタクシー代 2100円 電車代 甲斐大和~新宿 往復 3780円
山 行 ラ ン ク 基 準 要 領 好 山 好 山 旅 会
山行計画書に下記の要領でランクを表示することとします。
区分の判断は担当 リーダーが山行内容を検討して決めます。下記要領は一応の目安であって、全ての項目が該当しなくても、より近いものに決定すれば良いと考えます。
皆さんも参加を申し込まれるときは、ガイドブックや地図を読んで自分なりの判断 をされるよう期待します。
そして山行後、皆さんの意見を聞かせて戴き、より良いランク基準にしたいと考えます。
平成19年度第2回 役員会 議事録
日 時 平成19年10月20日(土)午前9時~12時
場 所 豊島区勤労福祉会館
出席者 高柳、広瀬、大田、高橋、八木、片倉、本多(正)、清水(裕)、吉田(博)、 清水(ふ) 1.会務担当者変更等 ・募集係 広瀬→本多(正) 本多(正)さんが病気療養中であったた め、広瀬さんが代行していたが、本多(正)さんが健康を回復したので 本多さんが復帰。
2.20年度例会計画作成 ・20年2月以降8月まで及び9月と10月の一つの例会計画を作成
3.その他
1)退会者 ・永年リーダーとして活躍されていた矢澤道子さんが10月をもって退会 されることになった。
2)新人歓迎山行 ・8月24日(日)の綾滝~大滝(奥多摩)(高橋リーダー)とする。
・尚、新人歓迎山行実施のために購入した食材等については会予算から支出することとする。
健 脚 向 きや や 健 脚 向 き一 般 向 き
予想 される ・1日の行動時間 ・9時間以上 ・7時間から9時間まで ・7時間以内
歩行速度 ・ガイドブック通り 休憩
一日の標高差 ・1,200m以上 ・1,000~1,200m ・1,000m以下 岩 場 の 通 過 ・鎖、梯子が多く、高度感が ◇ある .
・参加者の人選もありうる ・鎖、梯子が多い一般道 ・ときには鎖、梯子がある
一 ◇般道 雪 山 ・標高1,500m以上の山でゆ ◇とりある計画 ザ イ ル ・基本的に40~50分歩いて5~10分の休憩をとる 出 発 ・原則は朝立ちとし、夜行は避ける ・夜行の場合もある ・ガイドブックよりやや遅め 宿 泊 ・標高1,500m以下の山を 「やや健脚向き」 以下で計画 ◇する ・補助ザイルでのザックの上げ下ろしは可、人身確保は不可 ・原則として食事付きの山小屋、民宿等を利用 ・無人小屋での自炊もある
3)山行計画書の送付について ・リーダーは山行計画書を山行実施の2ヶ月前までに、庶務担当の梅澤さ んとホームページの運営管理者の高橋さんに送るよう厳守すること。
4)役員補助手当ての新設及び一部改定 ・新設 募集係 2,000 円 ・改定 会計係 5,000 円→8,000 円 ・改定 会報作成係 10,000 円→7,000 円
5)会規約等の一部改訂 ・「リーダーの心得及び役員への補助手当て」の見直し、リーダーの心得と 役員の補助手当てを分離し「リーダーの心得」のみとし役員の補助手当ては「規約」の中に組み入れる。
・「山行ランク基準要領」 一般向きの1日の標高差は設定していなかったが、今後1,000 メー トル以下とする。
6)次回役員会 ・5月10日(土)9時~12時 予約できない場合は11日(日)の 同時刻
平成2 0 年度会費振込のお知らせ
好山好山旅会 今年の山行も大過なく終わることができそうです。これも偏に皆さまの安全登山への努力の賜物と感謝しております。
来年も各人の体力に合った魅力ある山行を計画する所存です。
さて、出費の多い時節ですが、下記のとおり平成20 年度会費の振込をお願いいたします。 記
年額 6,500円(会費5,000 円+スポーツ安全保険1,500 円) 家族会員は4,000 円(会費2,500 円+スポーツ安全保険1,500 円) 但し、平成20 年4 月1 日~平成21 年3 月31 日迄
納入期限 平成20 年2 月末日まで
払込方法 郵便振込み(振込用紙は郵便局で入手願います)
加入者 好山好山旅会 口座番号 00130-5-70267
■退会を希望される方はハガキ、FAX、メール等で退会届を会長宛てに提出してく ださい。
※ お知らせ
1)下記の山行は、天気不良のため中止になりました。
・【軽井沢 白糸の滝・小浅間】 10月第4例会
2)♪♪ 新しいお仲間が入会されました。宜しくお願いします。♪♪ ・浜田寿恵子さん 〒631-0823 奈良県奈良市西大寺国見町1-1-507 Tel 0742-47-7565
3)好山好山旅会の発展にご尽力され、また長い間に渡ってリーダーを務めて下さ った矢澤道子さんが退会されました。矢澤さんから届いた退会通知の文面に 「沢山の楽しい思い出をありがとうございました。皆さまによろしくお伝え下さ い」とありました。こちらこそいろいろお世話になりました。この声がもう届 くことはないですが、いろいろな山の思い出を作って下さり、ありがとうござ いました。
4)受贈会報「木鶏」2007年11月号
【Wakurouの山名考】 大菩薩の山域に「牛の寝」という不思議な名前がある。山に関する名前の由来につ いて考えてみた。 はじめに「寝」について。「牛の寝」とは牛が寝ている様子から ついたのだろうか。そうではないと思う。牛の寝の尾根の続きに「鶴寝山」がある。 登りも下りもツルツル滑る登山道。ツルンと滑る尾根、「ツルンオネ」が「ツルネ」 と訛ったのだと思う。「寝」は「オネ」に違いない。その「尾根」について。地面 が褶曲している様子をウネっていると言う。波が強く高い時をウネりが大きいと言 う。これから思うに「ウネ」が「オネ」に訛ったのだと言えないか。あるいは大き くウネっているから「オオウネ」→「オネ」かもしれない。 次は「峰」。幼児用語に「オツム」というのがある。「オツムが変」というと頭がお かしいという意味で使うが、「オツム」は頭、つまりてっぺんを指すのだろう。 手の甲の皮をツマむとヤマができる。「オツム」の「オ」は接頭語であろう。ツマ んでできた高い所が「ツム」と解釈できる。 オネの「オツム」つまり尾根のてっぺんは「オツムウネ」。「オツムウネ」が「ツム ネ」さらに「ミネ」に訛ったとするのは荒唐無稽だろうか。ちなみに頭髪の渦はツ ムジ(ツム+ウズ)。吾妻山という名の山が各地にある。この「妻」も「オツム」 から来ている。「オ」は接頭語であるから「妻」は「ツム」であろう。 次号に続く