山  旅
会報 No.174
好山好山旅会
H.20.8 
 

                                             

平成20年9月例会山行計画
第一例会 9月6日(土) 箱根 明神ヶ岳~明星ヶ岳 担当者 原田
第二例会 9 月12 日(金)~15日(月) 北アルプス 栂海新道 担当者 大田・高柳
第三例会 9月20日(土)~22日(月) 飯豊連峰 大日岳~飯豊山 担当者 八木
第四例会 9月27日(土) 軽井沢 白糸の滝・小浅間 担当者 清水(裕) 
 
 
 
 
 
  《 東北 白神岳 》
7月5日(土)晴れ
参加者 高柳(L)大田 高橋 計3名 
-高柳 記-
朝 7 時48 分に東能代駅で寝台特急「あけぼの」を下車し、五能線に乗り換え十二湖駅に9 時8分に着いた。
予約してあったタクシーに乗り15 分ほどで登山口の広場に到着、身支度を整えて9 時半に出発する。
既に太陽は高く風も無く、暑い一日を予感 させた。
登山道はすぐに樹林帯に入り太陽を遮ってくれる。緩やかな登りを暫く辿り、 急坂になるころ「最後の水場」に着く、片手で持つのがやっとの鉄製の柄杓で冷たい水を口に含む。
やがて蟶山(まてやま)への登りにかかると急坂になり、45 分ほど 汗を流し12 時に蟶山分岐に着いた。
蟶山山頂へは左へ5 分ほどであるが「やめようか」と3 人の衆議一決、昼食にする。
樹林帯の中で標高は830 メートルであるが眺望は全くない。山頂は1232m メートルなので残り400 メートルである。
地図を見ると白神岳山頂への稜線にぶつかる方向へ向かっているはずだが、ブナ林 に目隠しされていて何も見えない。
そうかと云って透明なブナの葉を通す木漏れ日もない。今日のザックは久し振りに13.5 キログラム、まだ意外と背負えるな16 キログ ラムまでOKかな、などと考えて歩いていると目の前に全く突然、山頂への緑の稜線 が望まれた、あそこまで登るかと思う間もなく、稜線は見えなくなってしまった。
急登を登りつめると稜線の大峰分岐に着いた。
左へ行くと大峰岳で明日はこの道を 行く、今日は右へ山頂に向かう。
山頂へ向かう稜線にキスゲのお花畑が広がり、そ 向こうには避難小屋が見えた。この景色が欲しかったのであるが、実はこの建物はトイレで宿泊小屋と見まがうほどの大きさである。トイレの前を通り小屋に14 時15 分に着いた。
登山口から4 時間45 分である。
まずは寝場所を確保と小屋に入ったが 誰もいない。
小屋にあった大きなマットを3枚広げ、各自場所を確保しシュラフを出 す。
この建物は3 階立てで収容人員は15 名となっているが20 名は入れそうであっ た。
山頂へは小屋から2、3 分で着く。
天気は良いがモヤがかかっていて日本海も岩木山も何も見えない。
水場の標識は無いが山頂直下の道を東に入り5 分も下るとある。
岩を伝い流れ落ちる水を、笹の葉で 受けポリタンに落した。小屋へ戻ると京都から来た青年が一人いた。 まだ午後3 時、夕食には早いと荷物を整理したり雑談をしていたが、4 時には夕食の支度を始め5 時前には終わった。
夏用シュラフにカバーを着けたが暑く、しばらく はシュラフカバーの中でまどろんでいたが、やがて鳥の声、虫の声を聞きながら眠りに落ちていった。
平成20年7月6(土) 晴れ
-大田 記-
4時に起床し、早い朝食を済ませ、東側を見ると間近に向白神岳が見えており、 日の出も見ることができた。
避難小屋を出発したのは5時前であった。15分ほ ど下って歩くと、昨日登って来た蟶山コースへの分岐に着いた。我々は左折せず にそのまま北に進み、縦走コースに入る。
この辺りは斜面一面がニッコウキスゲ とクガイソウの群落であった。
今回の山行で一番のお花畑、皆で持ってきたカメ ラを取り出し、写真タイムとなった。
遠くの日本海辺りを見るが靄がかかっているようで眺望は得られなかった。
分岐を過ぎると笹の中の道を通る。
背丈よりも 高い笹の葉が夜露で濡れており、道を歩いて行くとたちまちズボンが濡れてくる。 ズボンがビショビショになって、もうこれ以上は耐えられないと、雨カッパのズ ボンを着用したが、暫し歩くと、笹の道はなくなり、カッパの着用効果は殆どなかった。
このコースはあまり歩かれてはいないようであるが、道はかなりしっか りしており、迷うようなところはなかった。
途中で、昨日避難小屋に一緒に泊まった京都の若者が追い付いてきて、我々を追い越して行った。
小さなアップダウンが何度も現れ、なかなか、行程ははかどらない。
何度かニセ のピークに惑わされ、ようやく大峰岳にたどり着いたが何の変哲もないピークで あった。
ここからは多少歩きやすくなり、ピッチが上がる。それにしてもこの稜線、ほとんど展望は無い。
ただブナの木々の間を縫うように進むといった感じで、 全く風景が変わらない。
やがて崩山を過ぎ、眼下に十二湖の湖沼とその先の日本海の見える大崩のあたりに到着した。
今回の山旅のハイライトで絵になるとても 美しい景色だった。
ここで早めの昼食休憩を取った。
ここから先は急降下が始まり、またブナの林の中をどんどんと下っていった。
京都の若者とはその後も何度か前に行ったり、抜かれたりを繰り返していたが、本格的な下りになってからは、追い越されたまま会わなくなった。
傾斜が段々と緩くなってきたころ下から夫婦と思われる男女が軽装で登って来 た。
十二湖の景色の見えるところまで上がりたいとのことだった。この縦走コースを登ってくる人と出会ったのは初めてであった。
この辺りはキャンプ場になっているらしく、ベンチなども各所に置かれていた。
きっと夏休みともなると大勢の家族連れで賑わうことだろう。
さらに下ると、大町桂月記念句碑があり、多くの観光客がいた。
左手には十二湖の一つである青池 が青々とした水をたたえていた。
時計を見ると11時であった。句碑の前で記念 写真を撮り、後は舗装された道を歩いて下り、バス停のあるビジターセンターに着いたのは、11時20分頃だった。
京都の若者は11時には下山していたとのことだった。
ビジターセンターで食べたソフトクリームの味は最高に美味かった。
ここで十二湖で1泊するというリーダーの高柳さんと別れ、私と高橋さんは帰路につきバスで五能線の十二湖駅に向かった。
☆コースタイム
7 月5 日(土) 十二湖駅(9:08~9:15 タクシー)登山口駐車口(9:30)旧登山口200m(9:35)二股 分岐370m(10:20)大木戸沢水場630m(11:10~11:15)蟶山分岐830m(12:00~ 12:20)大峰分岐1208m(13:55~14:00)白神岳避難小屋(14:15~14:30)白神岳山 頂1232m(14:35)
7 月6 日(日) 白神岳避難小屋(4:55)大峰分岐(5:05)大峰岳1020m(7:25~7:30)崩山939m(9:00) 大崩(9:35~9:50)奥十二湖・青池180m(11:00)


《 尾瀬 至仏山・笠ヶ岳 》
7月19日(土) 曇り時々晴れ
参加者 清水(ふ)(L) 中村 高橋 笠ヶ岳のみ 川端 鈴木 竹中 計6名
-清水(ふ) 記-
4時頃、バスのエンジン音が止まった。戸倉のバス停に着いたようだ。ここから大型バスから、小型バスに乗り換え、鳩待峠に向かう。
梅雨前線が消えて、夏本番に入ったようで、海の日を携えた3連休初日の今日は、大勢の人が、尾瀬に入るらしい。私たちメンバー3人は、5時頃シャトルバスに乗り、5時15分過ぎに鳩待峠に着いた。
今日のお天気は、問題なしだと思っていたら、私たちの降り立った周辺には、霧が立ちこみ、どこもかしこも真っ白だった。
売店前の濡れたベンチに座り朝食を済ませて、 今日はここに戻ってきて宿泊予定なので、荷物整理をして、サブザックに必要なものを押し込んで、鳩待山荘にその他の荷物を預けた。山の鼻への階段を下り、濡れた木 道を滑らないように慎重に歩いて行く。
時折、観光客のツアー団体が、行く手を阻み渋滞を起こしている。
慣れない木道歩きで、滑って転んでいる人もいるようだ。
景色 が大きく広がり、尾瀬ヶ原の西端の山の鼻に着いた。
ここで、ビジターセンターの観察会でお勉強をしてから追いかけてゆくという高橋氏を置いて、私と中村さんは、至仏山に向かって歩を進める。
いきなり階段状の急登が始まるが、昨日から、今日の朝までにかなりの雨が降ったようで、階段状の道は、水が多く流れていて、非常に歩きにくい。
さらに黒光りしている蛇紋岩は、石の中でもつるつるしている類らしく、ち ょっと油断すると、つるっと滑る感じがするので、とても神経を使う。
小さい石が、 やがて大きい石の塊になり、鎖場を2箇所越えると、至仏頂上前のお花畑にでた。
シオガマや、ナデシコ、アズマギク、シナノキンバイ、など綺麗に咲き誇っている。階段状の良く整った道が出てくると、にぎやかな至仏山の頂上にでた。
人が多くてどこで休もうかと悩んでいると、あとから登ってきた高橋氏が追いついて、 ここで、合流した。
とりあえず、小さいスペースを見付けて、一休みして、早めの昼食とした。小至仏山へは、歩きにくい大きい岩のごろごろしたところや、ぐじゃぐじ ゃした土のところを歩いて行く。
小至仏山から南西方面を見ると、上州武尊山が大き く横たわり、その手前に明日登る予定の笠ヶ岳の三角錐が可愛い感じに見えている。
尾瀬ヶ原方面を見るとさっきまで、ぼんやりしていたヒウチ岳だんだんはっきりし て綺麗に見えてきた。
白い石楠花が、あちらこちらに咲いていて、眩しい感じがするので、ヒウチ岳と一緒に写真に収めた。
オヤマ沢田代の手前で、笠ヶ岳に向かう道を分けて、ワタスゲが風に吹かれて涼しげな小さい湿原にでた。
湿原の景色を堪能してから、歩きやすい階段状の道をポコポコ歩いて、観光客で賑わう鳩待峠に3時前に着いた。
7月20日(日)曇りのち晴れ
―川端 記―
昨晩宿泊組と鳩待山荘前で合流して笠ケ岳へ向かう。
今日も大勢の人が鳩待峠で シャトルバスから降りた。
殆どの人は尾瀬ヶ原へ行くようだが、至仏山へ向かう人達 も結構いて山道はちょっとした渋滞である。
我々はオヤマ沢田代(笠ケ岳分岐)より 人気を避けるように笠ケ岳へ向かう。
ぬかるんだ道は歩きづらいがサギソウ、キヌガ サソウ、ハクサンコザクラ、トキソウ・・とたくさんの花を眺めながら山頂へ到着。
そこには何組か先客がいたが、彼らは鳩待峠からの往復のようで湯の小屋温泉へと縦 走する人は少ないようである。
山頂での展望を楽しんで、今回は登りより下山が長い とのことで先を急ぐ。
片藤沼辺りまではお花が咲いていたがその後は急坂の下りと幾つかの登り下りを繰り返す樹林の中の道で、展望も花もないただ長く感じただけの道 であった。
そろそろ歩くのがいやになった頃、湯の小屋温泉に到着。
温泉で汗を流し、バスで水上駅向かう。
一度は歩いてみたかったコースであったが、 また笠ケ岳に登るなら鳩待峠からピストンが良いかな・・。
しかし、静けさを求めるならばこのコースも捨てがたいが単独行では寂しい。
余談 : 私の乗車したツアーのバスが5台もあったのに今回初対面の竹中さんが 隣の席に座っていた人だと後から知って驚きでした。こんな偶然があるの ですね。
☆ コースタイム
19日 鳩待峠(6:00)山の鼻(6:50~7:10) 至仏山(10:25~10:50)小至仏山(11:40~11:50) 笠ヶ岳分岐(12:20)鳩待峠(13:40)
20日 鳩待峠(5:45)笠ヶ岳分岐(7:20)小笠(8:25~8:35) 笠ヶ岳(9:20~9:40)避難小屋(11:25~11:55) 湯の小屋温泉(14:45)
☆ 費用
夜行バス代4200円 宿泊代(1泊2食)8500円 関越交通バス代1000円 葉留日野山荘風呂代500円 JR電車代2940円(水上→上野)


※ お知らせ 1)受贈会報「木鶏」2008年8月号 -6