山  旅

会報 No.188
好山好山旅会
H.21.10 
 

                                                 

 

  平成21年11月例会山行計画
第一例会 11月8日(日) 安蘇山塊 石裂山 担当者 大田
第二例会 11月15日(日) 奥多摩の山 盆前山~今熊山 担当者 原田
第三例会 11月28(土)) 奥武蔵の山 蕨山 担当者 清水(ふ)





《 八ヶ岳 根石岳~天狗岳 》
平成21年8月の例会報告 
参加者 高橋[L]、 吉田(博)、土方、竹中 計4名
8月29日(土)曇り時々晴れ
-土方 記-
朝9時に佐久平駅集合であったが30分前には全員が集まり高橋、土方2台の車に分乗し登山口である稲子湯へ向かう。
天気は悪く佐久駅では小雨であった。 唐沢橋まで来ると駐車場があり何人かの登山者が登山の準備をしていた為、我々もここから出発する ことにした。(これにより稲子湯からの出発より30分ほどコースタイムの短縮が可能となった。) 降っていた雨もいい塩梅に止んでいる。
唐沢橋からしらびそ小屋までは、たいした登りもなく順調に進みコースタイムよりだいぶ早く到着した。
しらびそ小屋で早めの昼食をとり、ミドリ池越しに見える天狗岳を眺めながら小屋の美味しい珈琲を 皆で飲んだ。
しらびそ小屋から本日の宿である本沢温泉までの道は、登りらしい登りもなく1時間ほどで到着して しまった。
小屋では大部屋に案内されたが、窓があり明るい個室の方がいいとの意見が提起されリーダ ーの尽力により大部屋から個室に変更した。(結果、快適さは申し分なかった。)
本沢温泉は、日本一高いところに露天風呂をもっている源泉掛け流しの温泉で、この露天風呂は沢沿 いに穴を掘っただけのもので、浴槽の底から温泉が湧き上がっており女性参加者には申し訳けなかった が男3人で堪能した。
夕食まで5時間ほど時間があった為、昼寝と温泉三昧で過ごした。
8月30日(日)晴れのち曇り
-土方 記-
朝方まで降っていた雨も朝食の時間には霧となり出発の頃には青空も見えてきた。
本沢温泉から夏沢峠まではそこそこの登りであったが、硫黄岳の爆裂火口壁をまじかに見ながら気分良く登ることができ た。
夏沢峠から箕冠山の山頂を越え、風呂に入ることができる根石山荘を過ぎるとすぐに根石岳山頂に到 着、ここで赤岳、阿弥陀岳、目の前の大きな天狗岳が望めた。
天狗岳まではあと少しで、山頂に着くとガスが上がって来た。ガスが晴れるのを待って西天狗まで往 復したが赤岳方向は雲のため遠望がきかず、北アルプス方向は雲海となっていた。天狗岳から中山峠ま では黒百合平経由と直接峠へ出るコースと2本あるが、後者を行くことになった。
この道も前者同様に 岩だらけの神経を使う道であった。 中山峠からニュウまではアップダウンが少ない尾根道を快調に進み、昼にはニュウに到着。簡単な昼 食をとってからシャクナゲ尾根のルートで稲子湯へ向かった。
このルートは単調で長く結構疲れたが林道に出ると、まもなく車を止めてある唐沢橋に到着した。 最後は稲子湯で疲れを癒し、カチカチに凍ったアイスクリームを食べてから佐久平駅へ向かった。
☆コースタイム
1日目
唐沢橋(09:50)~しらびそ小屋(11:15-11:50)~本沢温泉(12:50)
2日目
本沢温泉(06:55)~夏沢峠(07::55)~箕冠山(08:30)~根石岳(08:45)~天狗岳(09:15) ~西天狗岳(09:40)~東天狗岳(10:05)~中山峠(10:55)~ニュウ(11:55)~白駒分 岐(12:45)~唐沢橋(14:05)




《 丹沢 新大日 》
平成21年9月の例会報告
メンバー 原田(L) 小野 中村 白井 濱田(和) 計5名
9月5日(土) 天気 晴れ -
原田 記-
新人濱田(和)さんの初参加を得て、快晴の下、長尾尾根の登山口9時33分出発。
ヒノキの植林が続くが、後でモミやカヤも混じりいい感じ、上部ではブナ林の美しさに感嘆の声が上 がる。
パノラマは望めないが、木々の間から北面の山々が垣間見られ、緩やかに登る道、足に優しい。
最後一登りで、新大日山頂に。サガミギク、ホソエノアザミ、テンニンソウなどを観察しながら、ゆっ くり3時間余のコース。
周囲の大展望が開ける。が、富士山方面だけは・・雲が湧いて隠れている。昼食後、陽の当たる尾根 道を行者岳へ向かう。咲いたばかりのフジアザミにキアゲハが集っている。
崩壊地のビランジは、残念わずかに咲き残りが見られただけ。しかし、なんと今日のお目当てサガミ ジョウロウホトトギスのポイントでは、どの葉先にも花が付いているといってもいい位、壮観な「丹沢 の貴婦人」が迎えてくれたのだ!(下見では、2つ3つしか見られなかったのに。)
ここで、私たち40 -50分留まって魅せられていたのでは。 その先鳥尾山、三ノ塔とピーク毎に展望を楽しみ、のんびり。
「いい時間じゃない~」 と気づいて、気持ちだけは多少巻きながら三ノ塔から下山。手入れのされていない暗い植林に、階段状に作られた傾斜のけっこうきつい道が続いている。最後は林道に合流して 大倉へ着いたのが、18時。なんと行動時間8時間30分の長い一日が終わった。
今年の山はもう秋の気配が強く、気持ちよく歩けた。今回花がビンゴ、皆さんが喜んで下さり、担当 も下見した甲斐あり。盗掘、鹿害で数を減らしている花が、いつまでもひっそりあの場所で咲き続けて くれますように。
☆コースタイム
長尾尾根登山口(9:33)新大日(12:45~13:15) ゆっくり花を観察して 行者岳(14:32̃14:42)鳥尾山(15:00~ 15:10)三ノ塔(15:45̃15:50)大倉(17:58)着
☆ 費用
秦野→札掛 タクシ-6380円(1台) 大倉→渋沢 バス200円 



《 北アルプス 燕岳~常念岳~蝶ヶ岳 》
平成21 年 9 月 5~7 日(土~月)
メンバー (L)吉田(博) 斉藤、武田 計3 人
9 月5 日(土) 晴れ時々曇り
中房温泉~大天荘
-吉田(博)記-
八王子を夜中0:45 のムーンライト信州にて大糸線穂高駅に4:53 着。
駅前に止まっているバス車中で 前泊の仲間が手を振っている。定刻に発車したバスはうつらうつらしている内に登山者あふれる中房温 泉に到着。
さすが人気の登山口はすごい。 簡単に朝食をすませ身支度して出発。
ゆっくり歩きすぎているのか、何度も立ち止まって道を譲る。
それでもコースタイム通りに現れるベンチで休憩をとりながら合戦小屋へ。
名物のスイカを3等分して のどを潤す。 スタート時は青空だったが、いつの間にか真っ白。夏の名残と秋の花を楽しみながら登っていく。階段が現れ、燕山荘が見え真っ白の中から1歩踏み出した反対側には青空が広がり槍・穂・裏銀座の山々がずらっと顔を見せている。
しばらく景色を堪能し歩き出す。 槍に向かって進んでいくだけだ。空は青と白を繰り返し30~40 分毎に休憩するが、ぽかぽかして座る とそのまま寝てしまいそうだ。
燕山荘から喜作新道と常念山脈の分岐までは、前回の会山行時もそうだが地図のコースタイム+30 分 を要する。
分岐からは大天井岳を右に巻くように石畳の道を上がっていく。40 分程で大天荘へ到着。
1 時50 分、以外と早く到着した。 休憩後小屋から10 分の頂上へ行く。沸き立つ雲の流れは速く、ハウルの動く城のように槍・穂が雲の 絨毯に乗り今にも動き出しそうだ。
夕食近く、体が冷えてくるまでずーっと見ていた。
9 月6 日(日) 晴れのち曇り
大天荘~蝶ヶ岳ヒュッテ
-斉藤 記-
早朝目覚め窓の外をのぞくと、満月の白い光の中、山並みのシルエットがくっきりと浮かび、北穂高小屋と涸沢ヒュッテらしき小屋のあかりがチカチカしている。夜明けをまち外に出る。それほど寒くな くすがすがしい朝だ。雲海の上に真っ赤な太陽が昇る。
これほどすばらしい日の出を見たのは久しぶり だ。天気は申し分なさそう。
朝の光の中、5時30分からの朝食を済ませ、6時に小屋を出発。
右手に槍、穂高が間近に見える。 鷲羽、水晶、立山、鹿島槍、白馬等360度の展望だ。ハエマツ帯が広がる上をホシガラスが松の実を くわえて飛んでいく。
登山道が穏やかにのび、爽快に歩いていく。山がいつもこんなならいいのになぁ ~と思う一瞬である。
燕岳より続いていたコマクサもこの辺まで来るとまばらになってきた。 横通岳を巻かずに山頂を踏む。目前に常念岳がひときわ高く立ちはだかる様に聳えている。
歩を進め て行くと、はるか下に見えるのは常念小屋の屋根。30分の急降下である。
小屋の前の広場でゆっくり と休憩をとり、見上げると常念は威圧される程の高さだがこれを越えなければ先に進めない。意を決し て登り始める。
さっきまで見えていた山頂がガスで見えなくなった。ガレ場の歩きにくい急登を50 分程登ると山頂が 見えてくるが遠く感じる。足の速い二人には遅れてしまったが、20 分程で山頂に着く。
岩のごつごつし た山頂には老若男女けっこうな賑わいである。 しばし展望を楽しみ蝶ヶ岳に向かい出発。
また急な下りが始まる。岩にある○印を見落とさないよう にしないと道に迷いそうだ。前方は谷から湧き上がるガスで遠望がきかなくなってしまった。
蝶ヶ岳までは3つのピークを越える。一つ目のピークを越えたところで昼食をとり、樹林帯の登り道 へと入っていく。
時々お花畑が現れ、名残の花だがたくさんの数が見られる。  中でもミヤマアキノキリンソウ、オヤマリンドウ、ウメバチソウ、トリカブト、トウヤクリンドウ、ヒ ョウタンボクの実等はいきいきとしている。
二つ目のピークまでは思っていた以上に急登で、汗が噴き出す。午後の登りは結構疲れる。第2のピ ークを下りきってまた登りが始まる。
樹林帯を抜け、ハイマツ帯を登り蝶槍の上に立った時はホッとし た。 蝶ヶ岳の三角点は蝶槍の南にあるが、そこは2664mで蝶ヶ岳ヒュッテの裏を5分程登った長塀ノ 頭が2677mで最高点だそうだ。
三角点にタッチして、穏やかな起伏の道を行く。槍、穂高の素晴ら しい展望があるはずだが、ガスで見えない。 小屋に着いたのは2時20分だった。5時30分までの夕食の時間をゆっくりと過ごした。
 9 月7 日(日) 晴れ
蝶ヶ岳ヒュッテ~三股
-吉田(博)記-
今日も槍・穂はくっきりと、反対側は雲海で富士山も見えているが今回ばかりは槍・穂にかなわない。
朝食をとり6時スタート。小屋から5分の蝶ヶ岳山頂へ向かう。
ここから空白の40 分(反省点②)で、蝶 のテン場から5・6 分で大滝山と三股の分岐がある。ひたすら歩きずらい石ゴロの道を下って予想より早 く登山口に着いた。
温泉の露天風呂から再び常念を仰ぎ見、豊科駅へ向かった。
今回の反省点 ① 二日目の常念の下りを間違えたこと。 ○印を見ながら下ってたはずが、いつの間にか先行グループについて行ってしまっ た。行き先が同じことを知っていたので、足場が悪くなったのに確認せず先頭が止まって気がつ いた。さほど大きなアルバイトではなかったが、登り返しは辛いものだ。
② 三日目の空白の40 分 前夜地図で確認していたにもかかわらず、三股への分岐を山頂の先と思い込んでいた。山頂か ら5分位で分岐があるはずなのになく、おかしいと思いながら歩いて妖精の池が現れてびっくり し、改めて地図で確認し気付いた。 小屋へ着いた時に明日行く道を確認しておかなかったからだ。 良かったことは、そのあと気をつけて急いだのでタクシーの時間に間に合ったこと。(林道が工 事中で車両通行の時間制限があった。)
☆コースタイム
一日目
穂高駅 5:05 (バス45 分) 中房温泉5:50~6:20 第一ベンチ 7:00 第二ベンチ 7:30
第三ベンチ 8:00 富士見ベンチ 8:40 合戦小屋 9:00~9:15 燕山荘 10:15~10:30 大下り入り口 11:20 喜作新道との分岐 13:10 大天荘 13:50
二日目
大天荘 6:00 東天井岳の肩 7:00 横通岳 8:00 常念小屋 8:40~9:00 常念岳 10:05~10:30 常念下 りたところ 11:30 第一ピーク 12:10 第二ピーク12:40 蝶槍13:30~13:45 蝶ヶ岳三角点 13:50 横尾分岐 14:00 蝶ヶ岳ヒュッテ 14:20
三日目 蝶ヶ岳ヒュッテ 6:00 蝶ヶ岳頂上 6:05 妖精の池 6:20~6:25
蝶ヶ岳ヒュッテテン場 6:40~6:45 大滝・三股分岐 6:50 まめうち平 8:05~8:15
力水 8:50 三股登山口 9:10~9:15 駐車場 9:30
☆費用
新宿駅~穂高駅 JR 4310+510=4820 円 穂高駅~中房温泉 バス 1700 円
大天荘・蝶ヶ岳ヒュッテ 各9000 円 三股~ほりでーゆ蝶ヶ岳温泉~豊科駅
タクシー 3100+2900=6000 円 ほりでーゆ蝶ヶ岳温泉 500 円 (蝶の小屋で割り引き券がもらえる 400 円) 豊科駅~新宿駅 JR 4310+2820=7130 円 (回数券利用230+4500=4730 円)




《 北アルプス 針ノ木古道~五色ヶ原 》
参加者 高橋[L]、中村、八木、吉田(博)、武田 計5名
9月19日(土)曇りのち晴れ
七倉登山口~船窪小屋
-武田 記-
シルバーウィークの5連休。混雑を避け計画された北アルプス横断、針の木古道~五色ヶ原に参加する。
第一日目、七倉ダムから登り始め、唐沢のぞき、岩小屋、天狗の庭をへて、船窪小屋へいたる。天狗 の庭までは登りが続き、特に岩小屋からは鼻突八丁といわれ,梯子の連続するきついのぼりが続く。
天狗の庭では高瀬ダム、北アルプスの山々が見えるはずだが、あいにくガスのため何も見えない。残 念。ここで昼食。
ここから赤や黄色、オレンジに染まった草花、その中に青いリンドウ、白いかわいい 白玉を楽しみながら歩き、船窪小屋に着く。
船窪小屋は化粧直のためペンキ塗りの真っ最中。茶色い壁に青い屋根が塗られている小さなかわいい 小屋だ。入り口に大きな鐘があり、登山者が到着すると、おかえりなさいと鐘を鳴らしてくれる。暖か いお茶もだしてくれる。
だがガスはあいかわらずかかって、肝心の山々がみえない、しばらくベンチで 雑談をしてるうちに、ガスが切れ始め,立山、剣が見えたと思ったら隠れ,蓮華岳があらわれ、槍。穂 高。薬師岳。
一瞬にして見えたらまたかくれの繰り返し、めまぐるしく変わる雲、ガスの動き、感嘆の 声をあげたり、落胆したり、そうしているうちにすべて再び山々はガスの中に隠れてしまった。
しばらく小屋で昼寝をし、夕方再びアルプスの山々が見えはじめる。こんなに近く堂々とした山を見 られて感激である。そして圧巻は夕焼けである。いちめんピンクに染まった雲に槍ヶ岳,穂高が浮かび、特に東側は一面ピンクの雲の模様。もう感動のしっぱなしで、これだから山はやめられない。いずれ今 見えている山山にも登りた~い。リーダーの方々よろしくお願いします。
追伸。船窪小屋の食事はとってもおいしく、暖かい雰囲気でとてもよかったです。
☆コースタイム
名倉登山口(06:00)~唐沢ノゾキ(07:10)~岩小舎(08:15)~天狗の庭(10:30)~
船窪小屋(11:10)
9月20日(日)快晴
船窪小屋~針ノ木古道~平の小屋
-中村 記-
昨夜の、降るような星を見て、わくわく、うきうき、そして、今日は、快晴、船窪の、お父さん、お 母さんと一緒に写真撮影、小屋の方に見送られ、6時に出発、七倉岳に寄り道、360度のパノラマ、 槍、富士山、笠が岳と素晴らしい展望。
今日の針ノ木古道、黒部湖でボートに乗る。楽しくなりそうです。
登山道は歩きやすい所もあり、緊 張する道もあり、左側の崩壊を見ながら針ノ木谷出合へ、いよいよ徒渉です。
1回、2回、3、4、5、やっと半分過ぎ、少し川から遠ざかり、悪路と戦い、神経を使い、川音を聞いた時の安堵感。すぐに徒渉、6回、7回の徒渉手ごわく、女性陣は素手で渡り、男性陣は、足の長さをうまく使い、8回、9回、最後の徒渉はつり橋で、ルンルン気分でいよいよ、桟橋に。
少しざれ場もあり、歩きやすい道になり、右下に黒部湖が見えてきました。
何となく、足取りも軽や かになり、一行の顔にも笑顔が、そのうち、ボートが見え隠れするのを楽しみながら、渡船場に到着。
平ノ小屋行きは私達だけ、湖の緑、空の青、至福のひととき。船長さんは釣りを楽しんでいます。も しかして、今夜の食卓に出るかもね。
もう少し、船上のオアシスを楽しみたかったのですが、平ノ渡船場に到着、急な階段を昇り、平ノ小 屋に12時40分、徒渉と戦った後の靴干し、靴下干し、ズボン干しと忙しく、やっと昼食。
今日は山越え有、徒渉有、ボート有、一日が10時間位に感じた日です。夕食は船長さんが釣った魚 が味噌汁の中に、とても美味でした。明日も快晴。
☆コースタイム
船窪小屋(06:00)~七倉岳(06:10)~船窪乗越(07:10)~針ノ木谷出合(08:20~08:35)~高巻道 手前(09:25)~高巻道終点(10:20)~南沢出合(11:20)~平ノ渡場(12:10)~平ノ小屋(12:35)
9月21日(月・祝)快晴
平ノ小屋~五色ヶ原~鳶山往復
-吉田(博)記-
本日も快晴。今日中に帰らなければならないTさんを見送り五色ヶ原に向かう。
最初は足にやさしいなだらかな道。まるで新緑の頃のようにあざやかな緑に陽がさし小鳥のさえずり が聞こえ高所とは思えない。
時々石ゴロの坂を上り、電波塔の横で休憩し、少し上がったところの小平 地が刈安峠か? 今日は室堂の混雑を嫌って黒部ダムへ向かう登山者によく合う。
話ではアルペンルー トの待ち時間がすごいらしい。 雲一つない天気だが風もない。
昨日よりかく汗も多く、ブルーベリーの原種の黒ウスゴをつまみなが ら気をまぎらす。
灌木がなくなり紅葉の絨毯の丘の上に白い五色ヶ原山荘、絵はがきのようである。広いエリアだが人 の姿なし。チングルマの穂先がびっしりで、是非花の時に再訪したいと思う。
大休憩して小屋へ向かったがまだ10時半。
早すぎるので、ザックを背負ったまま鳶山へ。頂上直下ま で木道が敷かれ、本当の頂上は立入禁止になっていたが絶景である。
鳶山から続く薬師への稜線、弥陀 ヶ原の平地に埋蔵金伝説の鍬崎山、その先に日本海、立山・雄山 カニの横ばい1時間待ちの剣、赤牛、裏銀座の山々、槍の穂先等々。
昼食が終わったところで今日はこれでおしまいとばかりにガスが上がってきてあっというまに真っ白。 十分堪能したので小屋へ向かう。この時間なら入れてもらえるだろう。 宿泊の手続きし、今日はビールだと注文すると売り切れだという。今週末で小屋締めのため補充して ないとか。がっかり。夕食までの長い時間を昼寝や読書で過ごした。
☆コースタイム
平ノ小屋(06:00)~刈安峠(07::55)~五色ヶ原石庭(09:30~10:00)~五色ヶ原山荘(10:45~10:55) ~鳶山(11:30~12:10)~五色ヶ原山荘(12:40)
9月22日(火・祝)曇り時々雨
五色ヶ原~室堂平
-高橋 記-
さすがに快晴の天気は続かない。今日の天気が思わしくないこと、室堂のターミナルで長時間の乗車 待ちが予測されることが頭にあり、昨日、朝食抜きで宿泊を申し込んだ。
今日の帰路は室堂平である。 タンボ平の下りはあきらめた。
4時過ぎに起床し、朝食も各自が済まし、出立の準備に取りかかった。小屋の玄関を開けると霧雨が 舞っていた。  皆に合羽をつけてもらい5時に出発。
空はうっすらと赤みを増してきたが足下の木道は濡れて暗い。 雨は上がった模様だ。
擦れ違った登山者はターミナルの混雑はもとより、剣岳のカニノヨコバイ、タテバイでも長蛇の列で 待ち時間が長く、小屋にも入れずビバークしてきたと言う。5連休、さもありなん。
我がコースのノン ビリさ、正解だったようである。
木道が途絶え、ザラ峠への下りに入る頃、足下もすっかり明るくなった。ガス越しに夜が明けて行く のがわかる。
そのガスも次第にとれ、ザラ峠に着いた頃はすっかり明るくなっていた。
ザラ峠の西は立 山カルデラ(崩壊)に一直線に大きく谷が切れ込んでいる。
佐々成正が戦国時代雪の北アルプスを横断 したというが、この谷は尋常な傾斜ではない。 よく、ここを越えたものである。ひとしきり感慨にふけった。
東の谷は黒部湖に向かって、これも一 直線の深い谷である。
行く手には獅子岳が立ち塞がっている。一歩、一歩、これを登っていく。
途中、ハシゴや鎖もある急 斜面をジグザグに。振り返ると五色ヶ原が姿を現し、もう雨は降るまいと合羽を脱いだ。
獅子岳山頂で は立ち休み程度、記念写真を撮り、先を急いだ。初夏の頃には残雪が輝いているという鬼ヶ岳東面を巻 く、と言っても岩場を上ったり下ったり、一旦、止んでいた雨が強く降り出した。再び合羽を着る。
ずいぶん登り返したなと思ったころ小屋が目に入った。富山大学の観察小屋だという。龍王岳まで来 たことになる。
ここからルートは二つ、右手は一の越、左手は浄土山、短い左ルートを選ぶ。岩場を一 気に下る。
このころから擦れ違う登山者が増えてきた。それも若い女性の登山者が混じってくるように なった。あいさつの声も不思議と元気がでてくる。 そうこうするうち、浄土山登山口の標識が、ここまで来れば、もう室堂平に着いたも同然。私は切符 購入のため皆より先にターミナルに向かった。
(ターミナルからの乗り継ぎもスムーズに行き、扇沢には予想よりも早く着けた。)
☆コースタイム
五色ヶ原山荘(05:00)~ザラ峠(05::35)~獅子岳(06:55)~鬼ヶ岳東面(07:70)~
龍王岳(08:30) ~浄土山登山口(09::15)~室堂ターミナル(09:50)
☆費用
夜行バス(新宿~信濃大町) 6,000円 タクシー6,000円(一人1,200円)
船窪小屋 8,500円 平ノ小屋 9,000円 五色ヶ原山荘 8,300円
アルペンルート(室堂~扇沢) 5,700円 JR 信濃大町~新宿(特急込み)5,990円



※ お知らせ 1)受贈会報「木鶏」2009年10月 -