山 旅
会報 No.270
好山好山旅会
H.28.8
 
 
 平成28年9月例会山行計画
 
第一例会 9月10日(土)~13日(火)    熊野古道 奥駈道      担当 大田
第二例会 9月17日(土)~18日(日)    上信越 白砂山       担当 木村
第三例会 9月24日(土)~27日(火)    北アルプス 槍ヶ岳~燕岳      担当 板橋
第四例会 9月25日(日)         奥多摩 御前山        担当 高橋
第五例会 9月30日(金)~10月1日(土)   尾瀬 至仏山        担当  白井
 
 
 
 
《 浅草岳・守門岳 》 
7月第一例会
7月2日(土)~3日(日)
メンバー:白井(L)、早川、池田、船生、木村、板橋、大平 計7名
―白井 記―
【1日目】曇り時々晴れ
この時期一昨年から3回目の計画で今年も天気予報ではあまり芳しく無かったが、1日目は 夕方まで曇りの予報だったので、1日目の浅草岳のみでも登れればOKと実施。
長岡駅から少々大きめのレンタカー(8人乗り)でネズモチ平駐車場に10時着、日帰り参加の木村さんは1時間程前に到着していた。
下り坂の天気予報のためか、ヒメサユリの時期な のでバスツアーの団体や大勢の登山者を予想していたが、小型バス2台を含めて車の数はそれ ほど多くは無かった。
林道入り口から10分程歩くと左手にネズモチ平登山口、注意しないと見過ごしてそのまま進んでしまう恐れがある。
登山道は最初からぬかるみ続きで足の置場に苦 労する。
湿度が高いので、流れ落ちる汗をぬぐいながらだんだんきつくなる道を進む。
メンバ ーの一人のHさんが暑さとシャリバテでギブアップし、戻る事になったが、大平さんが持って いた「ブドウ糖タブレット」を貰い食べて休んでいたところ数分後に復活し追いついて来た。
きつい登りが終わると視界が開け、頂上方面と反対側に守門岳が現れた。
雲も一部切れ陽射 しも出て来ると前岳分岐に到着、ここから雪渓を超えて木道を歩いて行くとヒメサユリに迎え られた。
新潟、福島、山形の県境のこのあたりにしか自生しておらず、IUCN(国際自然保 護連合)の絶滅危惧種に指定されている希少種で3年前から見たいと思っていたヒメサユリに ようやく会う事が出来た。
山頂からは鬼が面山の断崖その向こうに越後三山、燧が岳、田子倉 湖など360度の展望。天狗の庭方面に少し下るとヒメサユリの数も増し、シラネアオイ、イ ワカガミ、白く可憐なトキソウなども見られた。
まだ7月の初めにもかかわらずアキアカネの 大群が山頂付近を覆っていた。
小一時間頂上でのんびりし、バスツアーの団体が続々と登って来たので下る事にした。
帰り は前岳の分岐から桜ゾネコースを降りた。
分岐から嘉平与ボッチまでは歩きやすい木道が続き、 所々にヒメサユリが見られた。
恐らく今週が花のピークであろう。帰り道はぬかるみも無く見 通しの良いブナ林、草地帯を下った。
途中、地元の方が築いた皇太子様ご成婚記念「浅草の鐘」 をHさんが打つ。
心得には「心静かに打つ鐘は余韻嫋嫋谺して清めたまいし浅草の山嶺」と有 った…。
桜ゾネの登山口に着き、ネズモチ平駐車場までは約2Km の林道歩きで到着。
木村さん と別れて残り6名は越後須原の宿(民宿治兵衛)へ向かった。
【2日目】雨
予報通り朝から雨。守門岳は中止とし、12年前の中越地震で大きな被害が有った山古志村 を通り長岡駅へ戻った。
 
☆コースタイム
長岡駅8:45(レンタカー)~ネズモチ平駐車場10:00~登山口10:25~ 前岳12:25~12:50 浅草岳山頂13:45~嘉平与ボッチ14:20~桜ゾネ15:30~
ネズモチ平駐車場16:00~民宿17:00
 
☆費用
鉄道(JR新幹線);東京~長岡8,950 円(片道)
 レンタカー;27,432 円/1台+ガソリン代1,699 円
 宿泊費;民宿「治兵衛」6,800 円
 
 
 
《 白馬岳・雪倉岳・朝日岳 》 
7月第三例会
7月10日(日)~12日(火)
参加者: 板橋(L)、木村、大平、栗林(ゲスト) 計4名
 ―板橋 記―
【1日目】晴れ
1 週間前の予報では、1 番長い歩行時間の11 日に傘マークが付いていたので心配したが、実 際には3 日間、雨にあわずに歩けた。
7 時30 分あずさ3 号新宿発、11 時28 分白馬着。
バス・ゴンドラ・ロープウェイを乗り継い で、12 時55 分栂池自然園発。
ビジターセンターからの登山道は、岩がごろごろの上り。
銀嶺 水は水を補給するほど水量は多くない。
休憩するとブヨが寄って来るので、防虫スプレーは必 須。
岩の間をちょろちょろ水が流れる所を過ぎると小さな雪渓に出る。
間もなく、天狗原。
木 道の左右にアヤメが咲いている。蒸し暑いので30 分に1 回水分補給。
大きな岩を伝い歩きす る所は慎重に通過。
2つ目の雪渓は、アイゼン不要だが、5 分かかった。
広い台地のハイマツ の中に緑色のロープが張ってある所まで来るとケルンが見えてくる。
そこが乗鞍岳。
ここから 白馬大池までは下りになる。
湖畔の高台に白馬大池山荘が見えてきた。
4 時に着いたが、まだ日が高かったので、4 人そろって外でビールを飲んだ。
短い歩きだっ たが山小屋で飲むビールの味は格別だ。
【2日目】晴れ
朝日小屋の管理人・清水ゆかりさんからは①出発は朝4 時 ②白馬岳頂上に行かなくても10 時間かかる。
白馬大池から朝日小屋に来る登山者の9 割は白馬岳はパス。
できれば白馬岳には 行かずに来て!という2 点のアドバイスをもらっていた。アドバイス通り、4 時には出発した が、私以外の3 名は健脚で、白馬岳にも行き、小屋に3 時25 分に着き、夕食までの1 時間、持参の酒を飲むことができた。
4 時、ヘッドランプを点けて、白馬大池発朝食は弁当にしてもらった。
4 時36 分、雲の中 からの日の出に感動。
尾根に出ると風が強くなった。朝の淡い光の中に後立山連峰が見え始め た。
双耳峰が鹿島槍、その右が五竜・唐松(木村さんの解説)。
1時間半も登ると正面に杓子岳、 その右に白馬岳が大迫力で見えてきた。
気分の良い縦走路だ。
5 時50 分小蓮華山。相変わらず 風が強い。
6 時35 分、三国境で弁当を食べる。ここは新潟・富山・長野の県境が接している。
これから行く雪倉岳・朝日岳がゆったりと並んでいるのが見えるが、その前に白馬岳頂上を目 指す。
50 分で山頂。一旦、三国境に戻り、砕石ザラザラの道を下る。
鉢ヶ岳の東斜面は大きな お花畑の連続。鉢ヶ岳の標高2300m前後の山腹を15 分でトラバース。
このあたりは、例年7 月中旬まで雪渓が残るが、今年はほんの10m程度だった。
雪倉岳の広い山頂からは朝日岳が間近に見え、振り返ると白馬岳がどっしりと腰を据えてい た。
下り左右の岩礫地にはミヤマムラサキがたくさん咲いていた。
ここの個体数は多いが、他 の山では見たことがない。
下りの最低部の小川で水1.5 リットルを補給したが、25 分先に勢い よく流れ落ちる沢があったので、水を入れ替える。
冷たくて、うまい水だった。直ぐに小桜ヶ 原の木道になり、その名のようにハクサンコザクラや水芭蕉がたくさん咲いていた。
水平道入 り口に通行止めの看板があったら朝日岳頂上経由で朝日小屋に来てください、と言われていた が、看板がなかったので水平道に入った。
アップダウンの連続で小屋まで1 時間40 分もかか った。
【3日目】晴れ
朝日小屋の夕食は4 時30 分、朝食は5 時。
夕食も朝食も手作りの料理が並びおいしかった。
トイレが温水トイレだったのには感激した。
さすがに山と渓谷社「泊まって良かった山小屋」 の10 位にランクされた山小屋だけある。
結果を先に言うとコースタイム6 時間20 分のところ7 時間30 分もかかり、予定していた列車に乗れなかった。
5 時30 分、朝日小屋発。
朝日岳まで1 時間10 分。朝食直後の登りはきつい。
20 分下ると栂 海新道との分岐。左へ行くとコースタイム13 時間45 分で日本海の親不知に着く。
我々は直進 しひたすら蓮華温泉を目指す。
案内書にあったぬかるみも大したことはなく白高地沢橋も瀬戸 川橋もしっかりしていた。
しかし、非常に蒸し暑く熱中症気味だったせいか、スピードが上が らず、コースタイムより1 時間10 分も余分にかかった。
楽しみにしていた蓮華温泉の露天風 呂もロッジから歩いて15 分もかかるそうで、内風呂にしか入れなかった。
それでも3 日ぶり に入る風呂は気持ちがよかった。
2 日目と3 日目は雪解け直後の花の一番きれいな時で、30 種 類くらい花の写真を撮った。
直前の土曜日と直後の水曜日が雨で、我々が歩いた3 日間は晴れ たのは幸運だった。
 
☆コースタイム
【1日目】
栂池自然園12:55~銀嶺水13:40~14:10 天狗原14:15~ 乗鞍岳15:25~白馬大池山荘16:00
【2日目】
白馬大池山荘4:00~小蓮華山5:50~6:35 三国境6:45~ 7:35 白馬岳7:45~8:20 三国境8:35~ 9:30 鉢ヶ岳トラバース9:45~10:45 雪倉岳10:50~12:20
最低部の小川で水を補給12:35~13:00 沢の水場13:10~13:35 水平道入口13:45~朝日小屋15:25
【3日目】
朝日小屋5:30~朝日岳6:40~栂海新道分岐7:05~ 花園三角点9:00~白高地沢橋10:10~10:40 昼食10:55~ 瀬戸川橋11:25~兵馬の平湿原12:10~蓮華温泉
13:00
 
☆費用
新宿~白馬:5,100 円+特2,380 円 平岩~東京:5,940 円+特5,080 円
ゴンドラ+ロープウェイ1,920 円
白馬大池山荘9,800 円 朝日小屋9,500 円
タクシー7,090 円+電話代100 円(蓮華温泉-平岩)
蓮華温泉入浴800 円
 
 
 
 
《 鳳凰三山 》 
7月第五例会
7月30日(土)~31日(日)
参加者: 梅澤(L)、清水、蔵、宮崎 計4名
―宮崎 記―
【1日目】快晴
梅雨明け最初の週末とあって乗る予定のスーパーあずさは満席、臨時のあずさで3 名が到着 して9 時半韮崎駅に4 名が勢揃い。
20 人乗り位のバスで御座石温泉に向かう。
リーダーは明日 の雷雨の予報で迂回コースも検討。
御座石温泉に到着し登山届を提出。御座石温泉のご主人は 明日の天気は大きく崩れることはない。
また雨が降ったとしても他のルートよりも尾根伝いに夜叉神峠へ降りることを勧めてくれた。ともあれ快晴の青空のもと足を踏み出す。
いきなりの 急登の連続である。
西の平を過ぎて、大きく崩れた現場を回りこむように上る。
旭嶽、燕頭山 と越え標高は2105m に。
御座石温泉が1064m だから千メートル近く上ってきたことになる。
こ こからは地図にはなだらかな道と書いてある尾根を2382m の鳳凰小屋を目指す。
この道が展望 もなく二時間余り続くので結構きつい。
小屋の手前で人だかりが出来ていて富士山を眺めに来 ていると言う。
かすかに富士の輪郭が見えていた。
5 時前に鳳凰小屋に到着。小屋はクラブツ ーリズムの団体客もあって満員すし詰め、二畳に三人が寝る状態。
小屋のご主人の「明日の天 気は大丈夫だよ。」の言葉を信じて就寝。
【2日目】快晴
4 時起床。既に出発を始める人たちもいて、トイレは長い列を作っている。
朝食は弁当に し、我々も5 時過ぎに出発。
リーダーは腰の様子がおもわしくないので清水さんと直接観音 岳に向かう。我々男二人で地蔵岳のオベリスクを目指す。
小屋からも朝日に輝くオベリスク がかすかに見えていたがこの道が厳しい。
花崗岩が風化したザレ場を上る。
一歩進んで半歩 下がる状態である。オベリスクが目の前にそびえ立つがなかなか近づかない。
それでも振り 返れば観音岳の肩に富士山がその姿を現し我々を元気づけてくれる。
賽の河原まで来ると青 空にそびえ立つオベリスクが目の前に、その造形美に圧倒される。北側には甲斐駒ヶ岳や仙 丈ヶ岳がそびえ立つ。
オベリスクを途中まで登ってみると更に視界は広がり、北岳、間ノ 岳、農鳥岳の白峰三山が顔を出す。
そしてこれから向かう観音岳、薬師岳の稜線が続きその 先に富士の姿が大きくそびえる。
赤抜沢ノ頭から観音岳への稜線は360 度の眺望を持つ快適なコースである。
足元の岩陰には濃いピンクや淡いピンクのタカネビランジが咲き誇り、目 をあげれば八ヶ岳に浅間山、遠くに北アルプスや中央アルプスも望める今年最高の登山日和 である。
今回の最高地点2840mの観音岳に立ち、薬師岳小屋で遅い朝食を取り、道を急ぐ。
2840mの観音岳から1760m の夜叉神峠までは1000m 以上下る長丁場である。
バス停は更に 下って1380m だから今日は1460m 下ることになる。
鳳凰三山を堪能した後だけにこの下りが こたえる。
途中の南御室小屋の沢水が疲れを癒してくれた。
下りのコースタイムを大幅にオ ーバーして登山口に到着。無事解散となりました。
 
☆コースタイム
【1日目】御座石温泉10:45~西ノ平11:50~旭嶽13:50~ 鳳凰小屋16:50
【2日目】鳳凰小屋5:15~賽ノ河原6:20~観音岳8:55~薬師岳9:35~ 南御室小屋
11:10~杖立峠13:20~夜叉神峠14:20~ 登山口15:40
 
☆費用
バス代 韮崎駅~御座石温泉 1,700 円(内200 円荷物代)
 夜叉神峠登山口~甲府駅 1,420 円
 鳳凰小屋 8,000 円(朝食弁当含む)
 
 
 
★7月第二例会の流石山~三倉山と第四例会の南月山は天候不良のため中止となりました。
★10月16日(日)に役員会を開催いたします。場所等の詳細は追って連絡します。